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[オピニオン]酒の負担金

Posted August. 27, 2002 22:15,   

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米国のニューヨークにあるマンハッタン島は「マナ・ハ・タ」という先住民のことばから由来している。満酔の地という意味だ。1524年、イタリア・フィレンチェ出身の探検家ジョバンニ・ダ・べラザノが現在のニューヨークに初めてやってきた時、先住民が彼に酒を振舞ったという。先住民たちも酒をたくさん飲んで、機嫌をよくしたことから、その島をそのように呼んだと言われる。わが国も酒の消費量から見れば「マナ・ハ・タ」と呼ばれる資格は十分にある。1年間に国内で出庫された酒の量は、2合びんの焼酎で計算して、ざっと84億4900万本にのぼる。赤ん坊まで入れて1人180本、飲酒人口だけでみると278本と、世界のトップレベルだ。

◆もっとも、飲酒人口が多いというのも問題だが、中でも飲み過ぎる人が多いことが問題だ。飲酒人口のうち、飲み過ぎる人の割合が60%に達するという統計もある。不幸なことに、飲酒者の約20%が肝臓病や胃腸の病気など、酒が原因とされる病気を患っている。アルコール中毒症に近い症状を見せ、治療を必要とする人も、約200万人にのぼるといわれる。酒による経済的な被害も大きい。治療費と生産性の減少などの被害は、年間16兆ウォンと、国家予算の10%を上回っている。

◆どうすれば酒による弊害を減らせるのだろうか。タバコの場合、価格を引き上げ、禁煙広告をするのも効果的な方法である。実際、2月からタバコが健康に悪いとして、健康保険に対するタバコの負担金が2ウォンから150ウォンに引き上げられ、その分、タバコの価格も引き上げられた。また。コメディアン李朱一(イ・ジュイル)氏の禁煙広告が放送されてから、禁煙ブームが巻き起こったこともある。「タバコがおいしいですか?それは毒です。私も1日に2箱も吸っていました。今では本当に悔やまれます」きのう他界したコメディアンの李朱一氏が、咳き込みながら禁煙を訴える姿は、実に衝撃的だった。

◆タバコ同様、酒にも負担金を課すという発想が出てきた。酒の値段に5%ずつ、精神保健負担金を課し、それで精神保健基金を造るというのだ。年間約1250億ウォンを徴収して、保健福祉部はアルコール中毒症の治療事業を行うとしている。酒の消費も減らし、徴収金は営利事業に使うというから、一石二鳥と言えよう。酒の害悪を考えれば、もっともな話のように聞こえる。しかし、酒の値段が少々引き上げられたからといって、酒の消費が減るだろうか。税法にもない酒の負担金は、むしろ国の財政にとっては、酒とタバコほど致命的である。現在も、税金同様の負担金が100種類を超え、国の財政が放漫に営まれているとの指摘が多い。政府が国会の統制から離れて自由に使える負担金は、厳しく制限すべきではないだろうか。

朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com