Go to contents

離農が目立つ水害地域 「どこへ行ってもここよりましだ」

離農が目立つ水害地域 「どこへ行ってもここよりましだ」

Posted September. 09, 2002 23:25,   

한국어

台風による水害で水田と果樹園、家畜を失った崔(チェ)ジンホ氏(28・江原道襄陽郡西面ヨンチョン里)は、ほかの被災者と違って修復作業に加わっていなかった。

5年前からヨンチョン里に定住してきた崔氏は、これ以上農村に未練を持たずに街へ出ることにした。水害で6000坪の水田のうち3000坪余りが砂利畑に変り、1000坪余りの果樹園と鶏100羽、トラック、耕運機などの農具が跡形もなく流され、崔氏は1億ウォン余りの被害を被った。

崔氏は「5年間青春を捧げて働いたのに、残ったのは6000万ウォンの借金だけ」と、虚しい心境を打ち明けた。妻の孫(ソン)へヨンさん(27)は「街へ出て日雇い労働者になることがあっても、ここに住むよりはましだと思う」と語った。

水害で暮らしの基盤をなくした被災者たちが、農村を離れようとしている。「離農」を準備する人たちは、年齢を問わない。

子どもたちが巣立って行き、一人または夫婦だけで農村で暮らしていたお年寄りたちは、家を修復する費用が、近い市内や町にある家を買う費用とさして変らないことから、農村を離れようとしている。

都会でトラックの運転手をしていたが、2年前に農村に定着した南(ナム)サングク氏(42・襄陽郡西面ス里)も、農村生活に終わりを告げることにした。健康食品の店を開業するため、夫人が食堂でアルバイトをして稼いだカネまで全てつぎ込んだものの、今回の水害で飼っていた200頭の犬と犬小屋が全て水に流されてしまった。

南氏は「来年には、これまでの苦労がようやく報われるところだったのに、一夜にして水の泡と化してしまった。もうここでできることは何もない」と話した。

決壊した堤防から流れ出した水が家に襲いかかり、柱と屋根だけを残した馬(マ)ホサン氏(65・襄陽郡西面スサン里)は、家財道具を整理するだけで、家は修理せずに放置している。子どもたちが皆街へ出て以来、妻と2人暮らしの馬氏は、最寄の襄陽(ヤンヤン)邑に移り住む計画という。

スサン里の代表を勤める李チョルギュ氏(61)は「家を建て直す費用が3000万〜4000万ウォンであるのに比べて、襄陽邑にある25坪のアパートが4500万ウォン、束草(ソクチョ)市内は4000万ウォンもあれば買えるとあって、村を離れようとする人が多い。スサン里の90世帯余りのうち5、6世帯はすでに引越しを決めており、そのほかに5、6世帯も引越しを考えている」と話した。

襄陽郡の関係者は「修復費用の支援を受けることができても再起するには及ばないため、農村を離れようと決心する人が多いようだ。今回の水害で農民の離農現象が加速化して、農村の空洞化現象が進むはずだ」と語った。



buddy@donga.com