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[社説]盧候補は、取り消すつもりなら言うな

[社説]盧候補は、取り消すつもりなら言うな

Posted September. 12, 2002 22:56,   

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指導者になろうとする人の言葉は千金の重みを持たなければならない。従う人々にとって重要な行動の準則になるからだ。また言葉が重みを持つためには、適切な時期に、適切な言葉を言わなければならず、不可避な事情変更がない限り、昨日述べた話と今日述べた話が違っていてはならない。さらに、一国の指導者になろうとする人ならば、支持する人々だけでなく、支持しない人々の立場や考えはもちろん、外交関係や国益まで考慮する分別力が求められる。

9・11同時テロの1周年だった昨日、与党民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領候補が嶺南(ヨンナム)大学での講演で、「米国に行っていないからといって反米主義者なのか。また、反米主義者でどうだって言うのか」と述べたのは、いろんな面で不適切だった。時期もそうだし、内容もそうだった。彼は、すぐに「言ってみると、反米主義者は何だかちょっとあれだ。大統領が反米主義者ならわが国益に大きな損害をもたらすだろう」と一歩退いたが、そういうところが一層われわれを戸惑わせる。

盧候補が若い学生たちで埋め尽くされた会場の雰囲気に引っ張られ、ふと「反米」という表現を口にしては、雰囲気が尋常でないのを意識して発言を取り消しと言っても、考えが足りなかったという批判を免れる道はない。ところが、必ずしもそうでもないようだ。彼は、この日も「私はもともとこう考えているけど、そう言うとあれこれと問題になるから、あなたたちがわきまえて判断してくれ」という風な言い方を用いたような印象が強い。

彼は、先週末、ある社会組織の講演でも「個人的にソウル大学をなくすことに賛成する」と述べたあと、「しかし、そう述べると新聞に大きく書かれるので、なくすという表現は使わない」と付け加えたことがある。

こういう言い方は、聞く人をからかうような印象を与えるため、盧候補は言葉を選んで発言すべきである。すぐに取り消すような発言なら、最初から慎んでもらいたい。本当に言うべきことなら明確に言ってほしい。政治指導者の言葉が、軽くて風に吹き飛ばされそうなものであっては、国民の信頼を得るのは困難だ。いまの盧候補に一番必要なのは言葉の安定感だ。