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「三星」対「LG」一歩も譲れないライバルの競争

「三星」対「LG」一歩も譲れないライバルの競争

Posted September. 18, 2002 23:09,   

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「私たちが1位だ」

「とんでもない。誰が1位なのかは、みんなが知ってるはず」

三星(サムスン)電子とLG電子がここへきて繰り広げている論争の内容だ。LG電子が、今年上半期、符号分割多重接続(CDMA)携帯電話の輸出で1位になったと発表したことを受け、三星電子が「世界のマーケットシェアで三星が優位なのに、何を言ってる」と反論した。

海外調査機関のストラテジーアナリティックによると、上半期中、三星電子は740万台、LG電子は600万台のCDMA携帯電話を販売した。「しかし、三星電子は内需販売台数が414万台で、輸出だけを計算すれば、LGが先駆けている」というのが、LG側の主張。三星は「調査機関の資料にもない数値を勝手に作り出している」と、自尊心が傷つけられたという反応だ。

家電製品では、逆に三星電子が攻撃を仕掛ける方。デジタルテレビ、ホームシアター、DVDプレーヤーのように、これから市場が形成される先端デジタル製品は集計が難しい。もちろん、この分野でも両社は「わが社が1位」と厳しく対立している。

▲1位論争に火をつけたLG電子〓最近、両社の競争が激しくなったのは、LGが本格的に「1位主義」を標ぼうしたことにある。LG電子は電子業界の先発走者でありながら、90年台以降、経営実績やブランド認知度の面から三星に首位の座を譲ったまま、2位に固まったようだった。

今年明け、具本茂(ク・ボンム)LGグループ会長と具滋洪(ク・ザホン)LG電子副会長の「1位論」は、こうした危機意識から端を発している。LGの経営陣は、自分たちが最初手がけた事業を守れず2位に安住しようとする文化が生まれていると判断した。

具会長は、今年に入って、「1位LG」を打ち出し、これを実現するための概念化作業、中長期戦略の設定、最高経営者(CEO)を含めた役員社員の評価と教育など、大々的な「組織再編」に着手した。これにLG電子昌原(チャンウォン)工場が世界家電メーカーのうち営業利益率トップを記録するなど「私たちもできる」という自信感も付いた。

▲二転三転の歴史〓LG電子の前身、金星社(キムソンサ)は1980年代後半まで、国内家電市場の王者だった。金星社は58年設立されてから、扇風機、冷蔵庫、白黒テレビ、クーラーなどを相次いで初開発した一方、半導体と通信事業も早くから手がけた。当時、大韓(テハン)電線と三星電子なども一所懸命を追いかけていたが、金星社は69年スタートした三星を競争相手として認めなかった。

三星電子は80年代、新聞記事に金星社と並んで出るため、し烈な広報戦を繰り広げ、「ヒューマンテク」の公告で消費者に深い印象を与えた。

今年に入って、LG電子が強力な1位ドライブを仕掛けていることから、再び広報戦が白熱化している。デジタルテレビ、携帯電話など新製品の発売日と次世代技術の発表などをめぐって、両社は「業界最初」、「世界最大の大きさ」などを先を争ってアピールしている。

▲同じ点と違う点〓三星が李健熙(イ・ゴンヒ)会長を頂点に強力なリーダーシップを発揮していることに対し、LGは相対的に自律性を強調する。

10年後を左右する新事業の発掘や人材確保にも、三星は李会長が直接乗り出して、系列会社の社長を率いる。高麗(コリョ)大学の金彦秀(キム・オンス)経営学教授は、「三星マンらは合理的で、洗練されているという外部のイメージとは異なり、一糸乱れずのムードが強い。賢いリーダーシップが下支えとなればいいだろうが、そうでない場合は危険に陥りかねない」とアドバイスした。

反面、LGの具本茂会長は、大きな枠組みだけを提示する。LG電子の具滋洪副会長は、自分の役割を「社員の士気を向上させること」と「次世代リーダーを発掘すること」と定義づけている。かつての「人和経営」は、最近LG電子で「FUN(面白さ)経営」に衣替えした。

高麗大学の文炯玖(ムン・ヒョング)経営学教授は、「LGマンはしつこさが足りない。切羽詰っているのではなく、フレキシブルだ。分かってくれる人は少ないが、家電分野では世界的な競争力を誇る」と評価した。

両社いずれも、デジタル市場のグローバルリーダーに浮かび上がりながら、韓国の国家イメージ向上にも役立っている。



申然鐏 ysshin@donga.com