Go to contents

[オピニオン]梨花橋

Posted September. 25, 2002 23:20,   

한국어

梨花(イファ)女子大学の出身かどうかを問わず、30代の人々にとって梨花女子大学正門前の梨花橋は、格別の意味をもつ。大学近くの新村(シンチョン)駅を行き来する汽車が梨花橋の下を通過する時には、この大学の学生は遠くから我勝ちに駆けつけてくる。汽車のシッポを踏めば合コンの時に2枚目にめぐり会えるという噂のためだ。人の目を恐れて走ることまではできなくても、橋を通る時に歩幅や速度を調節するのは、ほぼ本能に近い。中高年の男性の中でも、梨花橋前で恋人を待ったり、カップルパーティーのような特別な日に梨花橋をわたって「禁男の館」に足を踏み入れた覚えを青春の一ページに刻んでいる人も少なくないだろう。

◆幅10m、全長60mの鉄筋コンクリートで作られたこの橋は、1958年に完成して以来、梨花女子大学教育の支え柱であり、真理と愛を結ぶ掛け橋の役割をしてきた。70、80年代、民主化運動が頂点に達していた時期には、反独裁闘争の場でもあった。梨花橋の上にぎっしり集まった学生たちの先頭に立った故金玉吉(キム・オクキル)当時の総長が、正門前に集結した戦闘警察に向かって「学生を捕まえるなら、私を先に捕まえろ」とどなりつけたという話は有名な逸話だ。90年代初めまで格好良い男に会わせるとしていた「汽車シッポの伝説」は、ここ数年の間、「シッポを踏めば就職できる」に替わった。女子大生の人生のキーワードが、愛と結婚から就職と自我発展に変わったというわけだ。

◆橋は、一方とより広いもう一方を結ぶものだが、逆に断絶させる可能性もある二重の意味をもつ。梨花橋は真理と愛、俗世と学問を結ぶ橋であるとともに梨花女子大学の閉鎖性を象徴するものでもあった。その梨花橋の撤去式が25日行われた。 高速電鉄の回送線が新村駅を通ることになったからだ。学校側は、この橋の歴史的な価値や伝統を考え、緑色の欄干から石柱まで一つ一つ取り除き、正門の玄板とともにキャンパス内に復元すると発表した。2004年、梨花橋が撤去された場所に作られる梨花広場は、韓国女性が世界へ踊り出る、文字通りの「広場」になるという。

◆しかし、梨花女子大学には未だに、頑固たる閉鎖的な伝統が残っている。結婚した女性は入学ができないという禁婚学則がそれだ。より多くの女性に教育機会を与えるために設立された女子大学が、既婚女性にはその機会を与えないというのは21世紀にふさわしくない。梨花橋の解体とともに、この禁婚条項も撤廃してはどうだろう。梨花広場の片隅に建てられたキッズハウスに子供を預け、心置きなく勉強に励むお母さん大学生をみることができればと思う。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com