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幸せな人生を照らす灯台「世相を見る知恵」

幸せな人生を照らす灯台「世相を見る知恵」

Posted September. 27, 2002 23:04,   

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「世相を見る知恵」バルタザル・グラシアン著、朴ミンス訳、176ページ、6000ウォン、アチムナラ(朝の国)出版。

「目上の人に刃向かうな。あらゆる優越なものは憎まれる・・・。慎重な人であれば、平凡な人の唱える長所を隠すはずだ。たとえば、自分の美を質素な服で隠すように‥」

「世相を見る知恵」は、厳しい世の中で生き残るための知恵を紹介した格言集。冷酷な現実に要領よく適応しながらも現実に安住しない、勇気の必要性を強調している。

「心と頭は人間能力の両極であるが、知性と心を兼ね備えるべき」だとか「幸せな時には好かれやすく友情にも恵まれるが、不幸な時に備えて友情の在庫を蓄え、報われることを残しておくこと」とアドバイスする。

この本の著者バルタザル・グラシアンは、17世紀スペインの作家であり哲学者でもあった。ドイツの哲学者ショパンハウアーがドイツ語で翻訳、紹介して以来、西欧の代表的な教養書とされる。

「‥知恵」は、国内では1991年末に第1刷が発行され、これまで260万部余りが読まれている。近年も、毎年2万部以上の売行きをみせている。「私の大切なあなたの人生の前に差し上げたい本」という広告が話題となったこともある。

「アチムナラ」出版社の黄(ファン)クンシク代表は、91年10月に偶然この本と巡り合った。ドイツ・ミュンヘンの「ヒューゲン・ドュベル」という書店で、20年間司書として勤めていたクリムエル女史に、韓国人に推薦できる本として薦めてもらったのが「‥知恵」だった。

1996年には「‥知恵」の後編も出ている。中国明代の学者ルィ・シンウの格言から249編を厳選、翻訳した人生の指針書。心の修行、人生の価値などを紹介している。

「争いやすく、相手の短所ばかりさぐり出す人は、自分自身に過ちはないか省みるよう忠告する必要がある」というように、真の人間らしさについて静かにうたっている。

昔も今も、賢く世の中を生きるということは、解き難い宿題である。大勢に順応することも、無鉄砲な抵抗も正解ではないからだ。しかし「外見はものやわらかだが、心の中はしっかりしていること」を意味する「外柔内剛」のように、心を充実させることこそ賢い人生と言えるかも知れない。



黃泰勳 beetlez@donga.com