▲中国は10年以内に日本を追い抜くか〓日中貿易の規模は、今年900億ドルを超えるものとみられ、30年前の80倍以上に伸びた。問題は、日本の対中貿易赤字が毎年約20%ずつ増えており、このままでは中国製品に完全に占領されるだろうという恐怖感が広がっていることだ。昨年は輸入が輸出より311億ドルも多かった。日本の輸入市場で中国製品が占める比率は17.8%にのぼる。
しかも、日本の製造企業が続々と中国に移転しており、産業の空洞化現象が深刻だ。日本企業による対中投資の累積額は323億ドルで、米国(349億ドル)に次ぎ2位だ。
何よりも日本が緊張しているのは、日本が90年代以降マイナス成長を続けているのに対して、中国は年間7〜8%という恐ろしい勢いで成長していることだ。昨年、中国の国内総生産(GDP)は1兆1896億ドルで日本(4兆1729億ドル)の4分の1の水準だが、このすう勢だと逆転も遠くないものとみられている。実際、UFJ総合研究所と富士総合研究所は、それぞれ2010〜2015年、または2012年には中国が日本を追い抜くだろうとの見通しを示した。
▲軍事・外交摩擦が深刻化〓両国の密接な経済協力とは違って軍事、外交面での摩擦は深刻化している。国交樹立後の30年間、日本の戦争責任など歴史認識をめぐり絶えず不協和音をかもしてきた。
とくに小泉純一郎首相が昨年8月に続いて、今年4月にも再び靖国神社を参拝し、中国の江沢民国家主席が激怒した経緯がある。
日本は中国の軍事力拡大を憂慮している。日本の防衛庁は防衛白書のなかで「中国は今年、国防費を17.6%増やすなど、毎年二桁の増加率を示している」と警戒している。日本は、このような周辺情勢を理由に、戦争放棄を明示した平和憲法を改正しようとする動きを本格化させており、韓国などアジア周辺国とのかっ藤も懸念されている。
▲アジアの主導権はどこへ〓経済分野の主導権はすでに中国に移譲された状態だ。これに中国が最近、米国と急速に接近してから日本が目立って焦りを見せている。
中国と日本は、昨年、それぞれ東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定を進め始めた。中国はすでに関税引き下げ品目などを決めるなど進展を見せている半面、日本は政府間交渉も始まらない段階だ。また今年4〜6月のASEAN5カ国の対中国輸出は96億ドルで、初めて対日本輸出(90億ドル)を上回った。韓中貿易の規模も、昨年は359億ドルを記録し韓日貿易規模の80%に迫っている。
中国の急浮上をけん制するため、日本では、毎年数千億円ずつの中国に対する政府開発援助(ODA)支援を中止すべきだという声も聞かれる。また、日本は最近、日朝首脳会談を契機に北東アジアでの発言権強化を狙っているが、これも中国の協力を抜きにしては難しい状況だ。
李英伊 yes202@donga.com