野党ハンナラ党は29日、現代(ヒョンデ)商船の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への4億ドル支援疑惑について、現代商船の資金元である産業銀行の3つの支店名を具体的に示し、監査院の特別監査と国会の国政調査を促した。
ハンナラ党「対北ヤミ取り引き真相調査団」の李在五(イ・ジェオ)、金文洙(キム・ムンス)議員は、29日、記者会見を開き「現代商船は、2000年6月7日に産業銀行本店営業部から1000億ウォン、九老(クロ)支店から1000億ウォン、汝矣島(ヨイド)支店から2000億ウォンなど、3つの営業店から小切手で引き出し、国家情報院(国情院)に渡した」として、金融監督院の小切手の追跡を求めた。
両議員はまた「現代商船が金監院に提出した『2000年上半期(1〜6月)事業報告書』には、産業銀行が2000年6月7日に提供した当座借り越し4000億ウォンがもれていた。国情院が、このカネの相当部分をロンダリングして外国系の銀行などいくつかの経路を通じて2000年6月7日から11日の間にいくらかに分けて送金した。関連証言も確保してある」と主張した。
なかでも金議員は、今回の事件の鍵を握る金忠植(キム・チュンシク)当時現代商船社長との接触について「できなかったとは言えない」と、接触の可能性を認めた。
李揆澤(イ・ギュテク)総務は28日、「30日の民主党との総務会談で、今回の事件に対する国政調査が合意に至らない場合、ハンナラ党単独で国政調査要求書を提出する案を検討する」と述べた。
しかし、与党民主党の李洛淵(イ・ナクヨン)スポークスマンは「対北支援疑惑を主張するハンナラ党議員ごとに、資金を引き出した所と送金した所が異なる。ハンナラ党は、推理小説を書いている」と一蹴した。
李スポークスマンは「ハンナラ党の疑惑提起が虚偽の主張であると確認される場合、李会昌(イ・フェチャン)大統領候補は、候補資格を失うことになる」と主張した。
民主党は28日の議員総会で、ハンナラ党の対北秘密支援説を「ねつ造劇」とし、「李会昌候補は、戦争を望むのか、平和を望むのか明らかにすべきだ」という内容の決議文を採択した。
一方、現代商船側は「以前のことであり、当座預金の特性上、随時引き出しや入金があるため、正確なカネの流れを把握するのには時間がかかる」と述べ、産業銀行側は、小切手の引き出しについては金融実名制法上公開することができないとした。
鄭然旭 jyw11@donga.com