国策銀行の産業銀行(産銀)が、2000年6月、現代(ヒョンデ)商船に融資した4900億ウォンのうちの3000億ウォンが、帳簿上では6カ月間消えていたことが分かり、この資金の使途について疑惑が提起されている。
資金の使い所が不明確な時期は2000年6月から12月までで、野党ハンナラ党が「2000年6月、現代商船が4900億ウォンを北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に送金している」と強調した点と一致する。また現代商船は5月までは会社自体としては、資金の流れに大きな問題がなかったが、6月に入って急速に資金事情が悪化したという、関係者らの証言が出ている。
現代商船が金融監督院(金監院)に提出した2000年6月末の報告書によると、産銀の支援金4900億ウォンのうち、当座融資1000億ウォン、一般融資900億ウォンだけを記していて、残り3000億ウォンについては記載していなかった。
しかし2000年12月の決算報告書には、当座融資1300億ウォン、一般融資900億ウォン、外貨運営資金融資1000億ウォン、償還1700億ウォンと、4900億ウォンのすべてが記録されている。3000億ウォンが6カ月間にわたって姿を消した後、再び現れたのだ。
これについて現代商船は「資金の使い所をめぐる疑惑について、一々釈明したくない」との立場を示している。
一方、当時のメインバンクだった外換(ウェファン)銀行の李沿洙(イ・ヨンス)前副頭取は「産銀が融資を行う直前の5月17日、現代商船が一時的な資金需給問題で500億ウォンを要請してきたため、当座融資の限度を増やした。現代商船はその時まで資金事情が良く、多くの資金が必要とされない状態だったのを覚えている」と話した。
現代グループ系列会社への融資を担当していた外換銀行の現代班関係者も「産銀が現代商船への支援についてメインバンクと協議したというのは事実でない。現代商船から当座貸し越し500億ウォンのほかに、追加で4000億ウォンを貸して欲しいとの要請はなかった」と話した。
現代商船は、2000年6月以降、満期が到来する4750億ウォンを返済しなければならなかったが、毎月、運賃収入4000億ウォン、預金2000億ウォン、当座貸し越し限度4400億ウォンにもとづいて、資金の需給計画を立てていたという。
格付け機関の韓国信用評価と韓国使用情報によると、現代商船は当時、資金事情が比較的に良好で「A」の等級を受けていた。
金相哲 金斗英 sckim007@donga.com nirvana1@donga.com