保険会社のセールスマンの高(コ)ハクボム氏(32)は金融界が週休二日制を導入した後、これまで後回しにしてきたインターネット上のバンキングサービスを申請した。しかし頻繁に外勤をする高氏は、インターネット・バンキングの認証書をパソコン1台だけに設置しておくわけにはいかなかった。
高氏の悩みを解決してくれたのはフラッシュメモリー。薄くキーホルダーくらいの大きさのメモリーに認証書を設置しておいて、必要な時、目の前のパソコンに入れて使うのでとても助かる。
このように専門家や「アーリーアダプター(Early Adapter)の専用物と思われていた携帯用の貯蔵装置が、一般ユーザーの間でも急速に拡がりつつある。ノート型パソコンを持ち歩くのはむずかしく、携帯情報端末(PDA)を買うには費用が負担になる人々が、重要な情報を簡単に貯蔵する方法として、携帯用の貯蔵装置を使っているのだ。
3.5インチのフロッピーディスクは1.44MBのデーターだけを入れられるが、携帯用の貯蔵装置は、それより数十倍の容量で、大容量の文書や写真、動画も簡単に保存できる。ウィルスのために資料が消されたりする心配もない。
▲フラッシュメモリー〓大学院生の金ジョンギュ氏(28)はこれまで、論文を作成する作業で、各種の資料を作って保管するためにノート型パソコンを持ち歩きしていた。しかし今年に入り、フラッシュメモリーを買ってからは、重いノート型パソコンを持ち歩く代わりに、フラッシュメモリーを首にかけて歩いている。
金氏は「いっそのことノート型パソコンを処分して、デスクトップパソコンを買おうとも思っている。どこでもパソコンにフラッシュメモリーさえ差し込めば、自身のデーターを呼び出せるから、必ずノート型パソコンが必要だとは思わない」と話した。
フラッシュメモリーは携帯用の貯蔵装置の中では小さく、簡単に持ち歩くことができるため人気を集めている。コンピューターに苦手でも簡単に使用できるのが長所。ウィンドウME、2000、XPなどの場合、差し込めば即時使用できる。普通、汎用直列バス(USB)ポートになっていて互換性に優れている。
▲移動式のハードディスク〓一日の間にも数回にわたって事務所と印刷所を行き来するグラフィックデザイナーの李ヒョンジン氏(29)のカバンには常に外装型のハードディスクが入っている。グラフィックデーターを保存するのにちょうど良く、容量が10〜20GBで、大きいからだ。
移動式のハードディスクは、USBポートに連結する本体外部の「頭脳」と言える。容量が大きく伝送速度が速いという長所がある。衝撃に敏感なため外部をアルミニウムや合金で丈夫に作ってあるのが特徴だ。最近は、上着のポケットに入れられるほどの小さいサイズの製品が主流になっている。
USB2.0を支援する製品は、データーの伝送速度が約480Mbpsにのぼる。動画ファイルを保存したり再生するのにも安定的で良い。
▲CD−RW〓資料を半永久的に保存することができ、比較的容量が大きい。再生が可能で使用しやすい。手のひらで製品全体を包むことができるほどサイズが小さく、持ち歩きに最適だ。
こうしたメモリー製品を選ぶ時は、自身が頻繁に使用しているパソコン、MP3プレーヤー、デジタルカメラなどと連結できる製品かどうかをチェックしなければならない。
ディスカウントストア「テクノマート」の電子機器売場ハンジュンデジタルの金スボン課長は「最近、携帯用の貯蔵装置を販売するメーカーが大きく増えている。フロッピーディスクより使いやすく容量も大きいのに、形態は小さくなっており、消費者から良い評価を受けている」と話している。
河壬淑 artemes@donga.com