米国と英国の強度の高いイラク決議案草案の国連採択の見通しが不透明な中、米国が強硬姿勢から一歩譲ってフランスが提案した「第2段階解決策」を受け入れる可能性が提起されている。
国連とイラクがウィーンで大量破壊兵器査察交渉を行っているなか、パウエル米国務長官は先月30日、国連安全保障理事会が新しいイラク決議案の検討を終えるまで兵器査察を保留することを求めた。
▲米国の2段階解決策受け入れの可能性〓米国と英国は2日までにイラク決議案草案を国連安保理に提出するとAFP通信が先月30日報じた。しかしAFP通信は米国高官らの話を引用してイラクが7日以内に決議案を受け入れない場合、軍事行動を警告するこの決議案が国連を通過しにくいという見方が支配的だと報じた。従って米国がシラク大統領の提案した2段階解決策を受け入れる可能性もあるとAFPは伝えた。2段階解決策は国連兵器査察団のイラクへの復帰をまず要求した後、イラクがこれを拒否する場合、2番目の決議案を採択するというもの。
▲ドイツが立場の変化を示唆〓ドイツ社民党(SPD)院内外交政策担当スポークスマンは、先月30日、SWRラジオとのインタビューで、「ドイツは明白な証拠が出る場合、イラクに兵器査察を強制する国連決議案への支持を検討するだろう」と述べた。クロージェ下院政策委員長も「イラクが国際テロ組織と協力しているという新しい証拠が発生する場合、ドイツがこれまでと違う立場をとることもあるだろう」と話した。シュレーダードイツ首相は、国連が決議したかどうかを問わず、対イラク戦争に反対するという断固とした立場に固執して、米国と対立していた。
▲中東の動き〓ムバラク・エジプト大統領は先月30日、カイロでアサド・シリア大統領に会い早期の国連査察再開と対イラク軍事攻撃反対の立場を確認して、「イラク戦争に反対する国際社会の世論を強化する必要がある」と強調した。
この日アブドラ2世ヨルダン国王も、91年の湾岸戦争当時、イラクを支持したことで関係が急速に悪化したクウェイトのアル・サバーハ国王と会って、両国関係改善の方策を議論したと、クウェイト通信が報じた。