最高検察庁中央捜査部(金鍾彬検事長)は10日、検察に指名手配され、米国に滞在中だった慶南(キョンナム)総合建設(株)の元代表取締役、金仁泰(キム・インテ、55)容疑者が、韓国内に送還されることによって、金容疑者がかかわったとされる「京釜(キョンブ、ソウル〜釜山区間)高速鉄道の車両選定のロビー疑惑」事件と「国家安全企画部(安企部、国家情報院の前身)資金の政界への流入」事件についての捜査を再び展開する方針を固めた。
検察関係者は「金容疑者が両事件に介入したのかどうかを確認するために、金容疑者を召喚し、取り調べたい」との考えを示した。
検察は、99年、京釜高速鉄道の車両選定ロビー疑惑事件を捜査する際、フランス・アルストーム社のロビイスト、崔マンソク(61、海外逃避中)容疑者の資金を追跡する途中、崔容疑者の資金が安企部の予算940億ウォンと入り混じったまま、その一部が慶南総合金融の口座を通じてマネーロンダリング(資金洗浄)された事実を確認した。
しかし検察は、当時金容疑者がマネーロンダリングにかかわった手掛かりを確保できなかったとされる。検察は、安企部資金が政界に流入した事件について、ハンナラ党の姜三載(カン・サムジェ)議員を在宅起訴し、現在1審裁判が進行中だ。
姜議員は、安企部の金己燮(キム・キソブ)元運営次長と共謀し、96年4月11日の総選挙資金として940億ウォン、95年6月27日の地方選挙資金として257億ウォンなど合わせて1197億ウォンにのぼる安企部の予算を、当時の与党だった新韓国党と民自党に、それぞれ支援した容疑を受けている。
一方、金容疑者は96年9月から97年7月まで自身が取締役を務めていた慶尚南道馬山市(キョンサンナムド・マサンシ)にあるソンアンデパート(株)の経営資金685億ウォンを、担保なしで慶南総合金庫に貸した後、そのうち257億ウォンを返済しなかった容疑(業務上背任)も受けている。
それ以降、ソンアンデパートは事実上倒産し、金容疑者は97年12月、従兄弟名義の偽造パスポートで香港を経由して米国に逃走、インターポールによって指名手配されていた。
一方、金容疑者は先月24日、米ダラスで偽造パスポートを所持していた容疑で、米連邦捜査局(FBI)と移民局によって逮捕されており、強制追放の手続きをふんだ後、11日韓国に送還される。
李勳 李明鍵 dreamland@donga.com gun43@donga.com