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[社説]脱法・違法に銃器強盗まで

Posted October. 14, 2002 23:35,   

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政権末期の近頃、ありとあらゆる脱法・違法行為が日常化し、社会全般に「無法心理」が充満していることは、実に恐るべき現象である。法を軽く考えるという次元を超え、はなから無視する現象が加速化して累積しては、国全体を揺るがすことにもなりかねない。

本紙報道によると、真夜中のソウル市内の道路は違法駐車だらけであり、酒の販売が禁じられているカラオケボックスは堂々と「酒を売るカラオケ」と書いた看板をかけている。監視用CCTVカメラを避けるために吹きつける「スプレーペイント」は売り切れ状態で、ルームサロンや蒸気風呂の違法営業は繁盛しているという。しかし、これを取り締まり指導すべき国の行政力は無力この上ない。任期末に公職の綱紀が緩み、取り締まりや指導がおろそかになったせいもあるが、法を守ったところで自分だけが損をするという被害意識に、「誰が誰に法を守れと言うのか」といった反発心理が加わって生まれた「無法シンドローム」の結果であるといえるだろう。

最近発生した銃器強盗事件も、こうした社会ムードと無関係ではないとみるべきである。犯人が使った銃と実弾など武器の一部がもとは近隣の軍部隊のものであったということは、「無法シンドローム」が軍にまで広がっていることを象徴的に物語っている。

「無法シンドローム」の根本原因は、権力の腐敗にある。法治で国の基本をたてるべき権力が、自ら脱法・違法に明け暮れては、国民に法の権威をたてることはできない。政権が道徳的信頼を失っては、遵法は語れない。しかし、脱法・違法が幅きかす今の社会状況を傍観することもできないことである。

政界と政府は、韓国社会全体の危機状況を直視し、収拾と対策づくりに直ちに乗り出すべきである。政界が大統領選の競争にだけ熱を入れ、政府が不動の状態では、新しい政権になってもその後遺症を解決することは難しいだろう。「無法シンドローム」は、国と社会共同体を崩壊させることも可能であり、その被害は国家構成員すべてに降りかかってくる。決して軽く見てはならない深刻な問題である。