米紙ワシントンポストは17日、「孤立したスターリン国家(北朝鮮)の(核兵器開発計画)吐露は、イラクの大量破壊兵器を排除するために軍事行動を進めているブッシュ政権を、前例のない外交危機に追い込んだ」と報じた。
イラクは、大量破壊兵器開発計画を否定している。このため国連は、直接確かめるために査察を急いでいる。一方、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、自ら核兵器の開発を認めた。もしイラクが北朝鮮のように事実を認めたなら、米国はすぐ軍事行動に入ることができる。
ホワイトハウスは16日(現地時間)夜に国家安保会議を開き、北朝鮮に対して軍事行動の代わりに平和的解決案を推進することにした。北朝鮮から4日に核兵器開発計画の事実を聞き、12日間苦悩した末に出した結論だ。
イラクと北朝鮮の違いは、米国の同盟国である韓国が戦争の砲火に包まれるかもしれないという点だ。しかし、イラクの周りにも米国の同盟国であるイスラエルがある。何よりも米国の外交・軍事能力が、もっとも重要な検討対象となりそうだ。
米国はイラクに対しては、刀をさやから半分出した状態。米国は、昨年10月に発表した4カ年国防戦略再検討(QDR)で、これまで2カ所で戦争を同時に行ない勝利するといういわゆる「ウィン・ウィン(win−win)戦略」を廃棄した。それに代わって、1カ所で戦争を行ないながら、他の地域では現状を維持する「ワン・プラス(one−plus)戦略」を採択した。この戦略によると、イラクをたたく場合、韓半島は現状維持対象となる。
戦略を修正することも可能だ。140万の兵力に最先端兵器体制を備える米国は、中部司令部一隊を動員するだけでイラクを制圧することができる。韓半島は、米太平洋司令部の管轄だ。2つの司令部で2カ所の戦争をするだけの余力がある。
しかし、戦争準備には時間がかかる。イラクに対しては同時多発テロ後13カ月間、アフガニスタン戦争後11カ月間、弾薬を補充して装備を点検した。韓半島の場合、韓国と日本に10万の兵力があることはあるが、北朝鮮の軍事力はイラクに比べてずば抜けている。
戦争のコストもイラク戦をしのぐものと予想される。アルカイダの掃討に向けたアフガン戦の場合、1カ月に10億〜20億ドルだったが、イラクの場合1カ月に60億〜90億ドルがかかるとものと米議会予算局は推算している。
洪銀澤 euntack@donga.com