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英教育相の感動的な退場

Posted October. 25, 2002 23:17,   

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英国の教師出身の教育相エステル・モリス(50)が、23日に電撃的に提出した辞表が英国に衝撃と感動を与えている。彼が、辞表に書いた辞任の理由は「能力不足」だった。

モリス教育相は、22日に初めてトニー・ブレア首相に辞任の意思を伝えた。ブレア首相は、翌日モリス教育相を総理官邸に呼び、1時間あまり話し合って積極的に引き止めた。しかし、モリス教育相は、意思を貫き、政治家にしてはあまりにも率直な内容を盛り込んだ辞表を提出して官邸を出た。

「親愛なるトニー。大臣職を務めて私によくできることと、そうでないことが分かってきた。わたしは、問題をてきぱきと処理し、教師らともうまが合った。しかし、巨大な省庁の戦略的な運営と現代的なメディアへの対応はうまくできなかった。わたしは大臣として備えなければならないほど、あなたが必要とするだけ能率的ではなかったと思う。あなたは、優しくもわたしに1日もっと考えてほしいとおっしゃったが、いくら考えてもわたしが真に願うのは直ちに退くことだ。内閣で働く機会をいただいて光栄に思う」

モリス教育相は、同日夜くたびれた姿で教育省の庁舎を離れた。職員らは、拍手と歓声を送りながら彼を見送り、一部の職員らは泣き出した。

ブレア首相は「とても正直なモリス教育相が、いつもそうだったように誠実で品位のある姿を残して退いた。わたしは、彼が再び政府に戻ることを確信している」と残念がった。英国の教職員労働組合も「モリス教育相の辞任は悲劇だ」と悲しみ惜しんでおり、BBC放送は「政治家としては立派過ぎてもったいなかった(Too Nice for Politics)」と論評している。

モリス教育相は、ブレア政権2期目の主要課題だった教育改革を力強く推進、とくに小学生の修学能力を高めるのに大きく寄与したと評価された。しかし、最近大学受験の採点ミスと2人の男の生徒が教師を殺害すると脅かした問題などいわゆる「教育事故」が相次ぎ、神経をとがらせていたという。

彼は、辞任直後BBC放送とのインタービューで「大臣のような重責は、自分にも厳しい基準を適用しなければならないと思う。わたしの役割は十分でなかっと思う」と話している。



朴濟均 phark@donga.com