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[オピニオン]特殊部隊

Posted October. 28, 2002 22:19,   

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世界の特殊部隊の活動の歴史でもっとも成功した事例として挙げられるのは、1976年、イスラエルの特殊部隊が敢行したエンテベ人質救出作戦だ。イスラエル本国から5000km以上離れたウガンダのエンテベ空港に着陸しているハイジャック機をめぐる軍事作戦は、文字通り危険千万なとばくだった。しかし海軍所属の「サエレト13」(一名、バット部隊)を主軸にしたイスラエル特殊部隊は、53分間の電光石火のような作戦の末、人質に取られていた106人のうち103人を救出してがい歌を上げた。この作戦が成功したあと、予期しなかった措置や行動が大成功を収めたときに決まって「エンテベ式」という修飾をつけるのがしばらく流行ったこともある。

◆現代の戦争では先端技術が重要とされるが、それがいつも人間に取って代わるわけではない。例えば、人質救出作戦で犯人と人質を区別できる先端兵器はまだない。世界各国が特殊部隊の育成に精魂を注いできた理由が、まさにここにある。英国の空挺特殊部隊(SAS)、米国の海上・空中・地上特殊作戦チーム(SEALs)、フランスの外人部隊などがそういう存在だが、特殊部隊員1人が一般歩兵の1個分隊以上の作戦遂行能力を備えているというのが定説だ。特殊部隊が人々の好奇心をくすぐる限り、彼らの話が映画の題材から除外されることは、今後もなさそうだ。

◆今回、ロシアのモスクワの劇場で発生したチェチェン武装勢力による人質劇も、連邦保安省(FSB)傘下の特殊部隊「アルファ」が解決したと外電は配信している。40分間の作戦で犯人グループ全員を掃討したという。ところが、今回の人質救出作戦には、犯人と人質に毒ガスが無差別に使われたことが異例な点だ。犯人たちの要求を受け入れずに人質を救い出さなければならなかったロシア政府の悩みを物語るようだ。鎮圧にかかった40分間の状況は、人質に取られていたインテルファクス通信の女性記者を通じて、全世界に生々しく伝えられたというから、一本のドラマを見るようだ。

◆特殊部隊の活動領域は、冷戦終結後からは対テロ戦争、麻薬戦争など非正規戦の重要性が高まるにつれてさらに広まっている。はなはだしくは、大量破壊兵器の隠密な流通を監視し、拡散を止めるのも特殊部隊に与えられた新たな任務の一つとなっている。世界各国が過去10年間、通常戦力は減らしながらも特殊部隊への支援と育成は一段と強化しているのも、このようなすう勢を反映している。世界でもっとも不安定な情勢の北東アジアに位置しているわが国の特殊部隊は、どんな能力を持っているのか気になる。われわれは10万に達する特殊部隊を誇る北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と接しているからだ。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com