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[社説]法務長官が責任を取るべきだ

Posted November. 03, 2002 22:33,   

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ソウル地検で取り調べを受ける途中死亡したチョ・チョンフン氏に対する国立科学捜査研究所の解剖検査結果は、人間の尊厳と価値を無残にじゅうりんする捜査機関の過酷な行為が公然と行われていることを確認させてくれた。「全身をむやみに殴り」ショックや脳出血で死なせた可能性が大きいという解剖検査結果は、チョ氏の死が決して「偶然な事故」ではなかったことを物語る明らかな証拠だ。

長い間続いた権威主義の鎖を切る契機となった1987年の朴鐘迵(パク・ジョンチョル)君拷問致死事件から15年が過ぎた今でも、全く同じような蛮行が犯されている事実に、われわれはさんたんとした気持ちを覚える。何ら防御手段を持たない一市民が密閉された部屋で兇暴な権力によって踏みにじられる姿は、想像するだけでもぞっとする。暴行にあい死に至るまでの過程でチョ氏が感じただろう苦痛と絶望を考えれば、全身が震えるのを感じる。

今回の惨事を「予告された事件」と受け止める検察関係者たちの反応は、われわれをさらに当惑させる。これは野蛮な拷問行為を自ら認めることではないか。金振煥(キム・ジンファン)ソウル地検長が国民への謝罪文で「意欲が行き過ぎて大きな失敗を犯した情状を考えて欲しい」と述べたことや、検察の一部で担当検事に対する同情論が流れているのも同じ趣旨と取れる。

検察が真相を正しく解明する前に「ひざをつかせたことはあるが、過酷行為はなかったものと把握されている」と明らかにしたことや、遺族との合意を急いだことも情けない行為だった。数々の雰囲気を総合してみると、結局、検察の意識改善を期待するには程遠いという結論に至らざるを得ない。

チョ氏拷問致死事件は、今回きりの事件でないという点で、実務責任に劣らず指揮監督責任を厳重に問い、過酷行為を根絶するための根本的な対策を至急に講じなければならない。金正吉(キム・ジョンギル)法務部長官の責任も重い。「人権政府」を標ぼうしている現政権下で法務長官を2度も務めながら、検察がこの有り様になるまで放置した責任を逃れようとしてはならない。恥ずかしいこと、この上ない今回の事件を、実務責任だけを追及して片付けようとするのでは国民感情に反する。