Go to contents

[オピニオン]悪妻が良妻!?

Posted November. 05, 2002 22:47,   

한국어

約10年前に女性も堂々と独りで生きることができるということを立証したかった韓国のある社会団体が既婚女性と非婚女性の生涯と考え方を比較したことがあった。結果は意外なものだった。既婚女性が精神的、身体的に健康だということが分かったのだ。男女を問わず、そばで励ましてくれる伴侶がいる人が、ない人よりも長生きし、脳卒中や事故で死亡する可能性も少ないというのはもはやだれもが知っている健康常識だ。米シカゴ大学のリンダ・ワイアット博士は、「結婚の場合」という著書で、「結婚は適切な食事、運動、禁煙のように暮らしのシートベルトの役割をする」と書いている。

◆ところで、配偶者の厚い気配りがむしろ慢性病を患っている患者の病状を悪化させるという独ハイデルベルク大学研究チームの報告に、急にめまいを感じた。背中の痛みを訴える患者のそばで配偶者が患者の心のままに世話をよくすると、むしろそばにいない時よりも痛みを感じるというのだ。患者の脳を精密に測定して出た結果なのだから、単なる大げさな仮病だと黙殺することはできない。病人の世話をよくする配偶者がそこにいるということ自体、痛みをさらに感じさせ苦しませると心理学のヘルタ・フロール教授は説明している。

◆ここまでくると、どんな人が理想的な配偶者なのか、もう一度振り返ってみなければならないようだ。独りでいる時は平然とゴキブリをつかまえる新妻が、夫がそばにいるとハエが飛んできただけでも驚いたふりをすることがよくある。「かいがいしい妻が夫をなまけ者にする」というシェークスピアの言葉のように、片方が頼もしく頼り甲斐があれば、もう一方はそれに及ばなかったりするのがこの世の理だ。ソクラテスの妻クサンチィペが今日まで悪妻の代名詞で悪名をならしているが、クサンチィペのおかげでソクラテスが偉大な哲学者になったということは、彼自身も認めている。人生の辛さ甘さを味わった者でなければ哲学は出てこないのだから。

◆科学はうそをつかないと思うかも知れないが、実際、学者の研究結果ほど自由に解釈し、適用されることもまれではない。今回の発表もやはり過小評価することではないが、よい配偶者が健康によく、悪い配偶者が健康に悪いという資料も少なくないのだ。それに健康に執着すれば、むしろ健康を損なうという調査結果もある。だとすれば、結論は結局、すべて気持ち次第だということだ。今意地悪な配偶者のために苦しんでいる人がいるとすれば、むしろ感謝しなければならない。幸せを取り逃がしたかも知れないが、そのおかげで哲学者になったと。要は気持ちの持ち方が科学的な研究結果を出すことよりも難しいということだが。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com