人間が作ったもっとも非人間的な兵器に地雷が一番先に挙げられる。地雷は、敵軍と友軍、軍人と民間人、大人と子どもを区別しない。殺傷能力を高めるために人々の好奇心を刺激する形で作られた地雷もある。ある種の地雷は、踏んだ瞬間、空中に２ｍ以上跳ね上がったあとに爆発し、半径１０ｍ周辺にいるすべての人たちを殺傷する。そうかと言えば、踏む人の足首だけを切る「足首地雷」は、負傷者の後送で相手戦力により多くの被害を与えられるように考案された、さらに悪質な兵器だ。金属探知機にも摘発されないプラスティック地雷は、錆びることがなく永久的であるうえ、軽いため雨のときは遠くまで水に流れる「忌まわしい」存在だ。
◆このように反人類的な地雷に反対する運動が地球レベルで活発に繰り広げられている。いまは故人となった英国のダイアナ妃がかかわり世界的な関心を集めた、１９９７年にはノーベル平和賞まで受賞した「地雷廃滅国際キャンペーン」（ＩＣＢＬ）がその代表的な団体だ。この団体が、このほど発表した「２００２年地雷定例監視報告書」によると、昨年一年間で世界的な対人地雷の使用と生産の現況は、かなり改善されたものとなっている。しかし、いまだに世界７０ヵ国には８０００万〜１億２０００万個の地雷が埋められており、一日に６０００個あまりの地雷が新たに埋設されているという。
◆地雷は埋設より、除去するのにより多くの費用と努力が要る。国際市場で１５ドル〜３０ドルで取り引きされている対人地雷の一発を除去する費用は、３００ドル〜１０００ドルだという。地雷除去は極めて危険な作業であるだけに、そのための数々の妙案も出ている。米国のある研究所は、ミツバチの背に蜂の位置と大気中に爆発成分があるかどうかを検査する特殊装置を取り付け、地雷畑を探す実験を行っている。爆薬成分を吸収すると、光を出す特殊バクテリアを利用した地雷探知システム、ロボット地雷探知犬なども進められている。それだけ地雷を除去する課題が困難であることを物語る。
◆韓半島もやはり２００万個以上の地雷が埋められているものと推定される地球上の代表的な「地雷危険地域」だ。洪水が起きるたびに流失した地雷による死傷者も絶えない。一昨日は軍が民間人統制ライン近くの土地を農民に提供しながら、地雷除去の責任まで民間に転嫁したことが論議を呼んだ。地雷の恐怖のなかで農作業に当らなければならない農民たちの事情を知らないわけではないが、その多くの地雷から国民を保護すべき軍の事情も気の毒なのでは一緒だ。京義（キョンウィ）線連結のための地雷除去作業も近く終了するという。この際、非武装地帯（ＤＭＺ）全域が「非地雷地帯化」になることを願うのは、本当に夢に過ぎないのだろうか。
宋文弘（ソン・ムンホン）論説委員 songmh@donga.com
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