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[社説]「権力がらみの不正に対する法執行」どうして鈍いのか

[社説]「権力がらみの不正に対する法執行」どうして鈍いのか

Posted November. 12, 2002 23:14,   

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現政権の代表的な権力がらみ不正のひとつである「陳承鉉(チン・スンヒョン)ゲート」にかかわった金銀星(キム・ウンソン)元国家情報院第2次長に対する特別仮釈放は、国民の法感情に逆行する。金融監督院の調査もみ消し請託とともに、5000万ウォンを受け取って陳氏の逃避を助けた罪に比べても、軽い刑(懲役1年)だったのに、満期出所を約2ヵ月控えて、仮釈放まで行ったのは特恵の色合いが濃い。

仮釈放の過程にも疑問点が多い。法務部は形式の要件と手続きを備えた以上、法的に問題がないと説明しているが、金氏のように「重要人物」を一般の雑犯と一緒に仮釈放したケースはめずらしい。彼に対する社会的な関心からみて、仮釈放の事実をマスコミに公開しなかったのも後ろめたい気をぬぐえない。

内外の人物、それぞれ4人で構成された法務部の仮釈放審査委員会で、金氏の仮釈放が通ったのも釈然としないところがある。全会一致を原則にしているとはいえ、仮釈放の決定当時、審査委員長(法務次官)が、新しい検察総長の金珏泳(キム・ガクヨン)氏だったうえ、金総長がソウル地検庁長として在職していた当時、指揮していた「陳承鉉ゲート」捜査についてずさんな捜査だったという議論まで巻き起こっているためだ。

現政権の権力がらみ不正について多くの事実を知っている金氏の口をふさぐために、仮釈放を行ったのではないかという疑惑も提起されている。国情院特殊事業費不法調達疑惑とかかわっており、政権党の権魯甲(クォン・ノガプ、前与党民主党常任顧問)氏に随時報告を行っていたうえ、京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)のベッグン・ジョンザ地区の高級アパート特恵分譲事実を暴露し、波紋を呼び起こしている金氏であるだけに、政権レベルでの懐柔の可能性があるという理由からだ。

ばく大な金額の金品受注と脱税の疑いで訴えられた金大統領の三男、弘傑(ホンゴル)氏が1審で執行猶予で釈放されたのも国民の情緒に反する。「請託介入に消極的だった」というのが主な釈放の理由だ。しかし、権力がいつも軽く請託しても、される側としては重く受け止めるしかないのが現実ではないだろうか。

現政権の権力がらみの不正に対する善処は、次期政権の分である。現政権が任期終了を控えて「皿洗い」を急ぐような印象を与えるのは望ましくない。