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[オピニオン]ヤクザ映画

Posted November. 14, 2002 23:04,   

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韓国映画史上最大の観客動員記録(820万人)を打ち立てた「友へ〜チング」は、映画に使用される言葉や暴力のタブーを果敢に破った映画である。麻薬の禁断症状があらわれた暴力団組員が、友達の前で妻に対して言ったば倒は、そっくりそのまま紙面に書くのがはばかれるほどである。暴力団の組長が、組員らに具体的に人を殺す方法を講義する。刺してからどうすれば相手を確実に絶命させることができるか、といったことだ。人を30回以上も刺すシーンも登場する。芸術と表現の自由という美名で、殺人法講義や残忍な殺人行為が映画で無制限に許されてもいいのか疑問に思う。

◆映画やテレビの暴力が青少年に与える影響について、広範囲な研究が行なわれた。米国のジョージ・カブナーという学者は、米国の青少年は18歳になる時までに、3万2000件の殺人と4万件の殺人未遂シーンを見て育つという統計を発表した。メディアに描写された暴力を模ほうする犯罪も、たびたび社会問題化される。映画「ディア・ハンター」には、ベトナム戦争に参戦した退役軍人が、サイゴンでロシアンルーレットをするシーンがある。米国では、この映画を見て、銃でロシアンルーレットをした人のうち、29人が自分の頭を撃ったという記録がある。

◆現実の世界で感じる挫折と憤りを映画を通じて代わりに噴出させ、むしろカタルシスの效果を出して現実世界の暴力を減らすという理論もある。しかし、メディアの暴力シーンが青少年に悪影響を及ぼすという研究結果が、主流を成している。韓国映画に検閲制度があった時は、女優の乳房や陰毛は無条件にスクリーンからカットされた。暴力を心配する学者は、まさに恐れるべきは乳房や陰毛ではなく、映画やドラマの中の何の感覚もなく行なわれる殺人行為や暴力であると嘆く。

◆映画ドラマ制作者らが暴力を好む理由は、ダイナミックな緊張感を高めて観客の興味を誘発するうえ、精巧な翻訳の必要なしに世界市場に売り出せ、制作費が安くすむからである。「友へ〜チング」の興行後ヤクザ映画のブームが起こり、「新羅の月夜」「極道の妻」「家門の栄光」などが大ヒットした。「友へ〜チング」の監督が映画会社から興行ボーナス5億ウォンを受け取り、一部を映画のモデルだったヤクザに渡したとして検察の取り調べを受けたという。殺人教さの容疑で服役中のヤクザに巨額のカネを渡したことが犯罪になるかどうかは離れ、青少年に悪影響を与える「謝った報奨」といえよう。

黄鎬澤(ファン・ホテク)論説委員 hthwang@donga.com