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[オピニオン]強肉弱食の脅威

Posted November. 17, 2002 22:57,   

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われわれはよく自然界の秩序を弱肉強食の生存法則で理解する。地球の自然生態系だけでなく、銀河系でも大きい星が周辺の小さな惑星を食ってしまう。そうしているうちに全体のバランスと調和が保たれていくということだ。米航空宇宙局(NASA)と学者たちは、銀河系の約4〜8%の星が周辺惑星を吸収していることを科学的に証明したという。人類の歴史も、通常、戦争の歴史として、または民族や国家などの興亡盛衰の歴史として記述されているという面で、弱肉強食と適者生存の生存競争の原理から抜け出れないようだ。現在の国際関係や国際法を、強者と弱者との不平等関係を正当化する過程や手段として分析するのも同じような脈絡でのことだろう。

◆ところが、最近、われわれは国際社会で新しい現象を目にしている。すなわち、弱肉強食の既存の秩序を正面から脅かす強肉弱食の挑戦を見ているのだ。世界最強の米国が、いくつかのテロリストによる想像を絶する野蛮な攻撃で、1941年の日本による真珠湾攻撃時よりも大きいな人命の損失と多大な経済的被害を受けており、現在、所在不明の不特定多数を相手にした反テロ戦争を遂行しながらイラク攻撃までも準備している。それだけでなく先進軍事強国が自慢する先端武器体系と軍事戦略も、経済的にも軍事的にも存在感の薄いテロ集団や、いわゆる「ならず者国家」によるテロや生物化学(BC)兵器使用といった攻撃戦術にはお手上げだと言える。

◆自然生態系や銀河系のバランスと調和と秩序が破壊されるということは、人類の生存環境に対する災難を意味する。幸い自然界には、弱肉強食の生存法則に挑戦する強肉弱食の物理的な脅威は存在しないようだ。したがって、人間が人為的に破壊しない限り、自然界の秩序は維持される。しかし、人間社会は違う。弱肉強食の既存の秩序に対する強肉弱食的な挑戦が可能なのだ。特に核兵器、生物化学兵器などの大量破壊武器の拡散は、これらの挑戦勢力の影響力と物理的な強制力を大きく増大させる。

◆既存の秩序に対する挑戦が必ずしも悪いのではない。しかし基本的な人権まではく奪して絶対権力を振るう独裁者たちによる挑戦は阻止されるべきだ。その絶対的な独裁権力自体が、人間社会に対する災難であるからだ。現在の南北関係も、強者の立場で相手を包容しようとする韓国と、これを拒否し強肉弱食的に生き残りを追求する北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)とのかっ藤関係として見ることはできないだろうか。また、そうしたかっ藤も、結局は自然の摂理によって解消されるしかないのではないだろうか。

朴庸玉(パク・ヨンオク)客員論説委員(元国防次官) yongokp@hanmail.net