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対談「国際映画祭はカンヌで始まり釜山で終わる」

対談「国際映画祭はカンヌで始まり釜山で終わる」

Posted November. 19, 2002 22:56,   

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今年で7回目を迎えた釜山(プサン)国際映画祭(PIFF)は、アジア最大の国際映画祭に挙げられるほど成長を繰り返してきた。釜山国際映画祭の今後の課題は、世界的な映画祭と肩を並べることだ。

映画祭の金東虎(キム・ドンホ、65)執行委員長と世界3大映画祭のひとつカンヌ映画祭のティエリー・プレモー(42)事務局長が18日午前、釜山海雲台(ヘウンデ)のパラダイスホテルで対談し、映画祭の差別化と発展方法などについて意見を交わした。二人は、2000年にベルリンで開かれたヨーロッパ映画賞授賞式の審査委員に並んで招請されたことを契機に格別な縁を結んだ。

▲金=2度も来韓し、PIFFのレベル向上に貢献されたことに大変感謝している。

▲フレモー=昨年は金委員長に招かれてPIFFに来たが、今年はPIFFがアジア映画人たちの出会いの場になっていることに注目して自発的に訪ねてきた。

▲金=PIFFの印象を聞きたい。

▲フレモー=カンヌ映画祭が始まるという感じなら、PIFFはまとめるという感じだ。カンヌに招かれた作品がPIFFにも招請されているので、「われわれは映画をよく選択しているのか」「われわれが選択した映画が関心を集めているのか」を点検してみる機会になる。またPIFFではアジア映画に接することができるし、この地域で関心を引く映画を把握する上でも役立っている。今後、毎年PIFFに来ないと何か重要なことを逃した感じがすると思う。

▲金=90年代半ばまでカンヌ映画祭で紹介された韓国映画は4本に過ぎなかった。98年以後から増えて2000年には林權澤(イム・グォンテク)監督の「春香伝」がコンペ部門に上り、2002年には「酔画仙」が監督賞(林權澤)を受賞した。客観的にみて、韓国映画の水準をどうみているのか。

▲フレモー=韓国映画が世界に知られてから一定の「エコール(学派・画派)」があることを知るようになった。これはPIFFが韓国映画人の創意力を刺激したおかげだ。文化と経済は不可分の関係にあり、お互いに上昇作用をする。映画で重要なのは歴史だ。韓国は100年に達する映画史を持っていることを最近知り、神秘な処女林に一歩ずつ踏み出す気持ちで韓国映画を注目している。

▲金=ベルリン、カンヌ、ベニス映画祭を通じて韓国映画が多く知られた。そういう点で、監督たちには、こういう関門を通じて自らの作品世界を示そうとする努力が求められる。

▲フレモー=最も独自なものが最も世界的だという言葉がある。「春香伝」「酔画仙」はいずれも韓国的なイメージを見せたし、その点が世界にアピールした。これが、まさに映画の魔法なのだ。なじまないイメージが大きな共感を呼びおこす。イラン人監督のアッバス・キアロスタミの作品がカンヌで注目を浴びたのも、同じ脈絡で理解できることだ。

▲金=カンヌ映画祭も55年の歴史のなかで節目があったと聞いている。どんな時期にどんなヤマ場を迎えて、どのように乗り越えたのか。

▲フレモー=映画祭が名声を得ると、あらゆる作品が紹介されたいとする問題にぶつかる。カンヌは出品作を50本に限定している。公正な競争のために審査委員らに自由を保障することが重要だ。そのため、カンヌでは米国ハリウッドの大型映画が受賞したり、無名監督の小資本映画が受賞したりする「事件」が起きる。スポーツのように、誰も結果を予測できない。20年あまり前のジル・ジャコブ事務局長は、カンヌ映画祭のモットーを「作品性を中心に選ぶ」に決めた。94年、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプフィックション」がバルムドール賞を受賞したが、当時、タランティーノ監督は無名だった。

▲金=PIFFは、アジアの有能な監督を発掘し、海外に紹介するという趣旨から出発した。釜山プロモーションプラン(PPP)を5回目まで運営し、アジアの作家と投資者が会う場を作った。ヨーロッパ映画は北米やヨーロッパに市場を持っているし、北米映画はトロント映画祭を通じて市場を開拓しているのに対して、アジア映画は適当なフィルムマーケットを持たない。PIFFがその役割を果たしたいのだが、慎重になる部分もある。

▲フレモー=映画祭は文化と産業の出会いの場になるので、マーケットに関心を傾けなければならない。観客の熱気がどの映画祭よりも熱いPIFFならではのイメージを保ちながら、マーケットを形成するための努力を傾けなければならない。作品性と芸術性に対するPIFFの基準が、アジアと世界の監督たちに通用するようにしなければならない。20年後のPIFFをどう予測しているのか。

▲金=アジアの有望な監督と作品に会うためには必ず見に行かなければならない映画祭に作っていきたい。カンヌ映画祭とも良い関係を維持し、そこで紹介された作品がこちらでも評価されるようにしたい。その点でPIFFを競争映画祭に仕立てるよりは、現在のアイデンティティーを保っていきたい。



金秀卿 skkim@donga.com