来月19日の大統領選に向け、与党民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏と、新党「国民統合21」の鄭夢準(チョン・モンジュン)氏が進めてきた候補一本化作業の結果、25日未明、盧氏が統一候補に選出された。このため大統領選は、事実上、野党ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)氏と盧氏の対決という、第7代大統領選が行われた71年以来31年ぶりに、与野党の一騎打ちとなる可能性が強くなった。両陣営は有利な状況をつくるための新しい戦略作りに乗り出した。
両陣営は、国民の関心を集めるような問題を取り上げ、党の勢力を拡大することが、大統領選を有利に進めるための先決課題という判断のもと、民主党を離党した「候補一本化推進協議会」や自民連など第3勢力との協力関係を確保し、外部からの人事導入に積極的に乗り出す方針であるため、大統領選が勢力の拡大競争となる可能性がある。
またハンナラ党は、盧氏が金大中(キム・デジュン)政権を継承すると強調しているとして「腐敗政権審判論」を積極的に問題化することを決めた。一方、盧氏陣営は「世代交替」を前面に出して李氏に圧迫をかけたいとしており、相手陣営への攻防もさらにエスカレートしそうだ。
李氏は25日、大統領選候補を招いて行われた平和(ピョンファ)放送の対談に出席し、「候補一本化の結果、大統領選は現政権の勢力のもと、再び政権を握ろうとする勢力と、政権交代を実現して国の革新を図ろうとする勢力の一騎打ちとなるだろう」と話した。
ハンナラ党の徐鋻源(ソ・チョンウォン)代表も、党幹部による選挙対策会議で、「盧氏は金大統領の継承者であることを強調してきた。来月の選挙は腐敗した現政権を延長するかどうかを決める選挙である」と主張した。
ハンナラ党は慶尚南道釜山(キョンサンナムド・プサン)出身の盧氏に対抗して、この地域の票固めに全力をあげる一方、自民連議員や李仁済(イ・インジェ)氏など民主党内の「反盧」議員に対して積極的に入党を働きかける計画だ。
一方、盧氏は25日、選挙対策委員会全体会議に出席、「ハンナラ党は、進歩と保守の対決という方向に持っていっているが、民主党は進歩政党ではなく、私自身も進歩路線を目指しているわけではない。国民は不正腐敗が横行したこれまでの政治を清算し、地域間のかっとうを乗り越えて、国民を一つに統合する政治を求めている」と語った。
民主党は、ハンナラ党の主張する「不正政権審判論」に対抗して、李氏にかけられている「キヤン建設から秘密資金を受け取った疑い」や「息子の兵役を不正に免除させた疑い」などについて集中的な攻撃を行う方針だ。
また民主党は最大の激戦地が釜山、慶南、忠清道(チュンチョンド)になると予測、選挙対策委員会の政治改革推進本部を釜山に移したほか、釜山慶南の攻略に党の力を集中することにした。
民主党は25日、最高委員会議を開き、離党した「候補一本化推進協議会」所属議員の復党を正式に決議したほか、「反昌(李氏に反対する)連帯」の結成に向けて自民連など他の政派との接触も始めた。
一方、「候補一本化推進協議会」所属議員は、26日、全体会議を開いて、候補一本化推進協議会の解体や民主党への復党などの問題について議論する予定だ。
鄭然旭 尹永燦 jyw11@donga.com yyc11@donga.com