韓国半導体産業の主力輸出品目であるDラム半導体市場の版図が変わりつつある。
携帯電話、ゲームプレーヤー、デジタル家電などの新情報機器分野のDラム需要が増えたことで、PC用メモリーに依存してきたDラム市場に活気が出ている。
2日、半導体業界によると、PC市場が長期低迷にあったのとは違って、新分野のDラム需要は急速な成長を見せており、今後の市場の見通しが明るいものと予想される。なかでもPCを除いた情報機器分野のDラムの価格が持続的に上がっており、新たな市場をめぐって企業の競争もし烈になっている。
アジアの半導体現物市場の価格を提供するDラムエクスチェンジによると、モバイルとデジタル家電分野のDラム価格は、PC用SDラムに比べて、最高5倍まで高い価格で取り引きされていることが分かった。11月末現在、アジア現物市場のモバイル用SDラムは、PC用SDラムの3.5〜4倍、デジタル家電用SDラムの価格は、PC用SDラムの2.5〜3倍の水準であるという。
このような価格格差は、多様な需要を満たすことができるDラム製品群と技術力を同時に備えた企業が極めて少ないために現われる現象だ。これによって、メモリー半導体市場で、市場の変化に素早く対応する企業とそうではない企業との格差は、今後もさらに広がる見通し。
メモリー半導体分野で世界最大企業である三星(サムソン)電子は、多様なDラム製品の供給能力と技術力を同時に備え、新たな市場をめぐる競争で有利な位置を占めている。
三星電子は、日本のソニーや米国のスーパー・コンピューター企業、クレイなどに、ラムバスDラムを供給するなど、高付加価値市場の拡大に力を注いでいる。世界最大のグラフィック・カード会社のエンビディアは最近、次世代製品に三星電子の「DDRll—1GHz」Dラムを使うことを明らかにし、この分野の市場を先取りする可能性が高まった。
李潤雨(イ・ウンユ)三星電子半導体総括社長は、同日ソウル大学で開かれた講演で「携帯用デジタル機器をはじめ、自動車、医療、家具、建築など、生活の全分野で半導体の需要が広がっており、2020年には、半導体市場は現在の20倍の規模にまで大きくなるだろう」という見通しを示した。
金泰韓 freewill@donga.com