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英雄ヒディンク監督はもう一般の客

Posted December. 02, 2002 22:34,   

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この時代に「英雄」はないのだろうか。ヒディンク前韓国サッカー代表チーム監督(56)を見れば、この話が実感できる。

2日、仁川(インチョン)空港の入国ゲート。その日は2002年韓日ワールドカップ(W杯)が終わり、母国のオランダに戻りPSVアイントホーフェンの指令塔を担当しているヒディンク監督がW杯後、来韓3回目となる日だった。

入国ゲートには、取材陣を含め、わずか30余人が迎えに来た。簡単なインタビューをしたヒディンク監督は、すぐ宿舎のハイヤットホテルに向かった。6カ月前「ヒディンクを大統領に選ぼう」と言う熱狂的な雰囲気とは対照的だった。

ヒディンク監督がこの日来韓したのは、サッカーとは関係のないCMの撮影のためであった。実際、「ヒディンク」と言えば、寝ていても起き上がって「英雄万歳」を叫んだファンまで、今はあまり反応を示していない。

W杯以来、ヒディンク監督は全然変わっていない。韓国サッカーと選手に対し、自負心と共に無限の愛情を持っているというのが周囲の評判だ。

それなら、ヒディンク監督がわずか数カ月で「英雄」から「一般の客」に転落した要因は何だろうか。

最も大きな理由は、朴恒緒(パク・ハンソ)前監督との微妙な対立だ。9月7日、南北統一サッカー当時、朴監督がいたにもかかわらず、大韓サッカー協会が彼をベンチに座らせようとしたからだ。ヒディンク監督は、観衆にあいさつだけしてベンチから離れ、観客席で試合を観戦したが、これは、サッカー月刊誌「ベスト・イレブン」が「ヒディンク監督の代表チーム指令塔復帰」に対する世論調査で、71%が復帰に反対する程の反感を引き起こした。

韓国企業がヒディンク監督の人気に便乗して、彼を商業的に利用した点も、ファンが背を向けた大きな原因だ。今回、撮影する2種類のCMの出演料だけでも33億ウォンを超える。

このため、サッカーファンの間では「ヒディンク監督は、韓国であまりにも多くカネ稼ぎしているのではないか」という反発が広がっている

韓国での評価はともかく、ヒディンク監督は先月29日、社会全般に貢献した人に贈られる賞の受賞者に選ばれるなど、国際社会では「英雄」として扱われている。



stt77@donga.com