エイズ保菌者が殺害された現場を、警察と保健当局が7日間も互いに責任をなすり付けながら放置し、ひんしゅくを買っている。
エイズ保菌者の殺人事件を捜査中のソウル中浪(チュンラン)警察署は12日、チョ某容疑者(25、無職)に対して強盗殺人の疑いで逮捕令状まで請求したが、エイズ保菌者の血が流れている事件現場については、保健当局の協力がなくて片づけられないと明らかにした。
6日、被害者のホン某氏(42、音楽家)が殺害されたソウル中浪区墨2洞(ムックイドン)の現場に最初に駆けつけた警察官は、遺体を片づける途中、薬のびんで被害者がエイズ患者だったことを知り、すでに一部の警察官は手袋をつけていない状態だったため、感染が懸念されている。
警察は国立保健院に協力を要請したが、だれも現場に来なかったと不満を露わにした。
国立保健院はこれに対して、「傷による感染でなければ、エイズ患者の血は危険ではないと確かに通報したが、現場に来てほしいという要請は受けていない」と話している。
これに対して、事件現場の住民は、「6日は単なる殺人事件だと思っていたが、翌日からはエイズ保菌者だということが分かり、不安になった。13日ごろには、保健所の人が来て消毒をするという話を聞いた」と述べた。
警察によると、チョ容疑者は、6日午前7時頃、中浪区墨2洞のホン某氏の自宅で、ホン氏の顔や体を20回前後、刃物で刺して殺害し、ネックレス、現金、クレジットカードなど5000万ウォン相当の金品を奪った疑いがかけられている。
警察は、この二人が約20人の同性愛者と性的関係を結んでいた事実をつかみ、彼らについてはエイズ感染の調査をすることにした。
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