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[オピニオン]ファーストレディ

Posted December. 15, 2002 22:37,   

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「ファーストレディ」ということばが初めて登場したのは、1877年の米第19代大統領ラザフォード・ヘイズの就任式だった。ある記者がヘイズ大統領夫人を「ファーストレディ」と呼んだのが、その始まりだった。ところで「ファーストレディ」なしに大統領になった者もいた。第22代大統領のグローバー・クリーブランドは、未婚でホワイトハウスに入城した。しかし、就任後1年たった1886年に、親友の娘フランシス・ポールソンと結婚した。当時クリーブランドは49歳で、ポールソンは21歳だった。この結婚式で「ファーストレディ」ということばがより確固な地位を得た。

▲米国の歴代ファーストレディは、ホワイトハウスの革新者の役割を果たしたといっても過言ではない。第11代大統領ジェームズ・ポーク(1845〜49年在任)の妻サラ・ポークは、ホワイトハウスに初めてガス灯をつけた。第23代大統領のベンジャミン・ハリソン(1889〜93年在任)の妻キャロライン・ハリソンは、ホワイトハウスに電気施設を設置した。第30代大統領のジョン・クーリッジ(1923〜29年在任)の妻グレイス・クーリッジはラジオを設置し、第33代大統領ハリー・トルーマン(1945〜53年在任)の妻ベス・トルーマンは、ホワイトハウスにエアコンをとり付けた。

▲大統領とファーストレディの人気が常に比例するわけではない。1989年のUSAトゥデイの調べによると、当時ジョージ・ブッシュ大統領の支持率は13%だったのに対し、夫人バーバラ・ブッシュの支持率は37%に達した。逆に、米国史上もっとも偉大な大統領に数えられるリンカーンの夫人メアリー・リンカーン女史は、マスコミでもっとも酷評を受けたファースレディだった。1861年8月にシカゴ・トリビューンは、彼女が、軽薄で気ままで品位がないと、ひどく攻撃されるのを見切れずに「ほどほどにしろ。それぐらいでいいじゃないか」という論説を掲載したくらいだ。

▲ケイティ・マーティンは、ファーストレディを指して「隠れた権力(hiedden power)」と言った。またある者は、ファーストレディを「選出されない権力(unelected power)」であると言う。しかし、ファーストレディはむしろ「露わになった権力」となり、大統領と一体化した「選出された権力」の堂々たる一員になっている。大統領の地位にのぼるまでの歴程で、妻とのパートナーシップを除外して考えることは、事実上不可能であるためだ。大統領選挙の終盤の熱気が熱い。国民は果たしてどのようなファーストレディを選ぶのだろうか。

鄭鎭弘(チョン・ジンホン)客員論説委員、韓国芸術総合学校教授 atombit@netian.com