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[社説] 大統領選を国民と国の勝利にするためには

[社説] 大統領選を国民と国の勝利にするためには

Posted December. 20, 2002 22:34,   

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次期大統領に当選した与党民主党の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏は対話と妥協で新しい時代を切り開きたいと抱負を語った。盧氏は敗北した野党ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)氏からお祝いの電話を受け、「私は半分の大統領に過ぎない。残りは李氏のものである」と言った。現実を正確に認識したうえでの発言である。

今回の大統領選挙は、約3490万票のうち、わずか57万票で勝敗が決まった。得票率ではわずか2.3%の差。地域別の得票状況を見ると東西が明確に分かれ、また、年齢別にも40代半ばを境に上下の世代がはっきり分かれた。したがって、今回の選挙は「半分の勝利、半分の敗北」と言える。

今後はこの「半分の勝利」を「国民と国の勝利」に昇華させるべきだ。盧氏も言ったように、こうした意味でも対話と妥協は不可欠だ。もちろん政治的修辞で終わってはいけない。過去の政権も選挙直後は国民の団結を唱えたが、しばらくすると「勝者独占」に走り、国民の団結どころか味方と敵に分かれ対立をもたらした。

「勝者独占」の誤った権力文化を正すのは、政権の善意に頼ればいいというものではない。憲法に明示されている三権分立の精神を踏まえて、立法、行政、司法が制度やシステムにもとづいて働かなければならない。盧氏が宣言した「7000万すべての同胞が一つとなる大統合の時代」も民主的制度による国家運営の原則が守られてこそ可能になる。

国政の優先順位を決め、それを実践する上で、国民の合意を前提にしなければならないということは当たり前の手順である。そこで行われた対話や妥協こそ、現在の分裂と対立を和解と団結に導くことができる。政治改革を名分に政界改編に執着したり、社会改革を理由にポピュリスム(大衆迎合)の政策にきゅうきゅうとするならば、「半分の勝利」は決して「国民と国の勝利」にはならないだろう。

自ら「半分の大統領」であることを認めた盧氏が、初心を守るのは、国民が団結するうえで最も重要な条件である。