米国の新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」がクローン人間づくりを目指して設立した企業「クローンエイド」は26日、世界で初めて女の子のクローン赤ちゃんを誕生させたと発表した。これを受けて、人間の尊厳性と遺伝実験の境界線をめぐり激しい議論が巻き起こっている。
「クローンエイド」のブリジット・ボワセリエ代表は26日,AFP通信との電話インタビューで、「クローン実験で妊娠した赤ちゃんは、帝王切開でスムーズに生まれた」と語った。
AFP通信は「クローンエイド」が厳しいセキュリティー管理のもと、クローン赤ちゃんの誕生を進めてきたため、この赤ちゃんが本当にクローン技術で生まれたかどうかは、まだ確認されていないと報じた。
ボワセリエ代表は27日(韓国時間27日夜)、クローン赤ちゃんの誕生を正式に発表する予定であり、クローン技術で生まれたことを証明するため、中立的な科学者に細胞検査を認めると述べた。
これに先立ち、ボワセリエ代表は先月27日、「米国人2名、アジア人2名、欧州人1名の計5名がクローンエイドのクローン人間プロジェクトに参加しており、このうち米国人女性が12月中に世界初のクローン赤ちゃんを出産する」と発表していた。
これについてクローンエイド韓国支社のクァク・ギファスポークスマンは、本紙記者との電話で、「最初は韓国人女性も3名、クローンプロジェクトに参加した。来年2月、アジア人女性2名など4名がクローン赤ちゃんを出産するが、韓国人女性が含まれる可能性もある」と話した。
クローン人間は、精子と卵子を受精させる人工受精とは異なり、体細胞を操作してヒト胚をつくる遺伝子工学的手法で難病治療法の一つとして研究されてきたが、クローンエイドをはじめとする一部の研究者は、クローン技術を使ったクローン赤ちゃんの出産を競争して推進してきた。
韓国では先月、与野党議員88人がクローン人間を禁止する生命倫理安全法案を国会に提出した。また、国連はクローン人間を規制するための国際協定を推進しているが、禁止範囲をめぐって意見の食い違いがあり、結論を出せずにいる。
李基洪 sechepa@donga.com dream@donga.com