無料で寄贈された医学研究用の遺体から皮膚組織と骨を取って売りさばいた医師と看護師、そしてこれを利用して形成手術に必要な医薬品を作って販売した医療用品メーカーの代表などが警察に摘発された。
ソウル地方警察庁は、医療用品メーカーのH社のファン某代表(46)と、この会社に遺体の組織を不法に提供したC医科大学形成外科アン某教授(50)、H産婦人科のソ某院長(37)、C社会福祉法人金某看護師(33)、Y整形外科のアン某院長(46)ら、12人を薬剤師法違反と廃棄物管理法違反などの容疑で7日、立件した。
警察によると、ファン氏は、00年11月にC医大のアン教授から医学研究用の遺体から取った皮膚組織を提供、損傷した皮膚を再生する医薬品「シュアダム」を作るなど、00年5月からこれまでに19億2000万ウォンあまりの皮膚組織欠損再生医薬品を作り、売りさばいた疑いがもたれている。
警察の取調べの結果、ファン氏はC医大に産学共同の寄付金、2500万ウォンを支払ったことが明らかになった。
また、C社会福祉法人「愛で命を助ける運動本部」所属の看護師の金氏は臓器移植の仲介役を行い、昨年7月にS大学病院に安置されていた遺体から皮膚組織を取ってH社に提供するなど、遺体5体から皮膚組織を取り、H社に提供した疑いだ。
この他、Y整形外科アン某院長も、6人の患者に股関節手術を施した後、そこから出た6本の骨を H社に提供した。H産婦人科のソ某院長は60の胎盤を一つ5000ウォンで H社に販売した疑いをもたれている。
とくにH社の代表、ファン氏は昨年9月に中国の吉林省のK病院で、死亡の原因と身元が判明していない遺体2体を1200万ウォンで買いとり、皮膚組織だけを取って韓国に密搬入した疑いももたれている。
警察の関係者は「医学研究用の遺体は、医学の発展のために解剖の実習用に使われたり、遺族の意志にしたがって無料の移植手術に使われるべきだ。摘発された医療関係者らは遺体を営利の目的に使い、遺族らには火葬したようにだました」と語った。
李勳 dreamland@donga.com