新年初の週末の4日午前、江原道洪川郡(ガンウォンド・ホンチョングン)デミョンビバルディスキー場。
「初級」コースのリフトの前には列が100m以上も続いている。長い列の後ろの方には、19人の小学生たちが寒さでがちがちと歯を鳴らしている。同じ組の子ども一人がいなくなったので、待っているそうだ。講師は、「友だちが見つかるまで待ちなさい。」と言って、どこかに行ってしまった。20分後に現れたその子は「急にトイレに行きたくなっちゃったので」と頭をかく。この組は、午前中2時間ほどスキー場にいたが、スキーは一回しかできなかった。
李ユビンちゃん(ソウル、ファゴク小学校4年)は、「スキーもまともに滑れず、鼻かぜと喉かぜを引いちゃった。後悔してる。もう絶対来ない。」と、不満げに言った。スキーキャンプの主催者のいい加減な商売が、雪原を駆ける子どもたちの夢を壊している。スキーキャンプに参加する小学生と中学生が大きく増えているが、ほとんどの場合、スキーを楽しむどころか、さんざんな目にあって苦労する。業界によると、シーズンには、一日スキーキャンプへの参加者数は約8000人。スキー場が直営する場合もあるが、イベント会社や観光会社が宿泊施設を借りて運営する場合も多い。
問題は、スキーキャンプの講師が非常に足りないということだ。講師一人当たり10人程度の受講生がちょうどいいが、ほとんどのスキーキャンプでは、講師一人に20人の受講生を割り当てている。
受講生のための別途のコースを設けなかったのも問題。受講生はスキーヤーがもっとも多く集まる基礎コースを一緒に使うため、リフトに乗るにはさんざん待たされることになる。結局、受講生たちは午前と午後の合わせて2回ぐらいしか滑ることができない。
スキーキャンプ参加者は2泊3日で15万ウォン前後という少なくない費用を払っているが、スキー場の外でも差別されている。
このスキー場は、受講生には宿泊施設のエレベーターの使用を禁じている。金ヒョナちゃん(城南、ドルマ小学校4年)は、「エレベーターに乗れず、7階の部屋まで歩いて上がったり降りたりするので大変だった。」と泣きべそをかいた。スキーのロッカーも、一般利用客だけが利用でき、キャンプの参加者たちは、100m以上も離れている宿所に保管するようになっている。一日中、寒さと不便で苦労した受講生たちは、宿所に戻ると、今度は「布団との戦い」を強いられる。
4人用9坪の部屋に12人が、そして1人用19坪の個室には15人が泊まっている。布団と枕も足りなく、毛布を巻いて枕の代わりにしたり、掛け布団なしに敷布団だけを敷いて寝る場合もある。
スキーキャンプを主催する団体の関係者は「スキーキャンプの誘致競争が激しくなり、参加費を安くしながらも、手数料から多くの利益を残そうとするイベント会社や観光会社のため、受講生が被害を被っている。スキーキャンプに参加する際には、条件を注意深く比べてみるように」とアドバイスしている。
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