米国の第108代議会の開会に伴って、お気に入りの机を獲得するための上院議員の暗闘も始まったと、ウォールストリートジャーナルが7日報じた。
上院100議席の机のうち半分以上が1819年に34ドルで購入した古いもの(写真)だが、議員たちは有名な先輩が使った骨董品に近い由緒ある机を手に入れるために、これまであらゆる圧力とロビー活動を行ってきたと新聞は書いている。机の引き出しの中に名前を刻みつけることが約100年にわたるならわしであり、刻み付けられている持ち主の名前だけ見れば系譜についておおよそ見当がつくほどだ。
議員たちは自分の親類が使っていたものや、名声を博した議員の机にまず手を出す。昨年1月上院議員となったエリザベス・ドール議員(ノース・カロライナ)は、共和党の大統領候補だった夫のボッブ・ドール元議員の机を譲り受けた。
南北戦争直前の混乱期の1850年、仲裁案を提出して団結を図った「偉大なる3人」ヘンリー・クレイ(ケンタッキー)、ダニエル・ウェブスター(マサチューセッツ)、ジョーン・カルハン(サウスカロライナ)が使った机は、最も人気を集めている。「カルハン机」は、ハリー・トルーマン、リンドン・ジョンソン元大統領が使ったものだ。
一部の議員は、特定の机を独占しようと上院決議案まで提出する。74年、95年と99年の3回にわたって、机の所有権を保証する決議案が採択された。74年当時、ノリス・コットン議員(ニューハンプシャー)は、自分の使っていた「ウェブスター机」を他のニューハンプシャー出身議員が永遠に独占するという内容の決議案を提出した。同議員は、ライバルのマサチューセッツ出身の議員2人が欠席した隙を狙って決議案を提出する周到さで決議案の採択に成功した。
アーニスト・ホリングス議員(サウスカロライナ)は、20年以上「カルハン机」を狙ってきた末、机を手に入れた。同議員は、「カルハン机」の持ち主だったラッセル・ローング(ルイジアナ)元議員に「おい、ロス、いつか互いに何かを交換することもあるのではないか」とひそかに取り引きを提案し、米国議会史上最高齢の政治家で50年間も「カルハン机」を狙っていたストローム・サモンド元議員(サウスカロライナ)を取り除いて机を獲得した。
これに対して、セックススキャンダルで最も道徳性の欠いた大統領とされるウォーレン・ハーディング元大統領に続き、ウォーターゲート事件で任期途中で大統領職から退いたリチャード・ニクソン元大統領が上院議員時代に使った机は誰もが避けている机とされる。
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