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消防ヘリコプター、陜川ダムに墜落 5人救助、2人不明 手遅れ対応で非難の声も

消防ヘリコプター、陜川ダムに墜落 5人救助、2人不明 手遅れ対応で非難の声も

Posted January. 19, 2003 22:43,   

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試験飛行中に墜落した山火事消化用消防ヘリコプターのポーランド人機長と韓国人副機長2人の機敏な判断力と落着いた対応により、同乗した5人の命は助かったものの、機長ら2人は行方不明となった。消防当局は、事故発生から16時間も経って生存者を救助するなど、対応が遅れたことで非難の声が持ち上がっている

▲事故の瞬間〓18日午後4時ごろ、慶尚南道陜川郡(キョンサンナムド・ハプチョングン)ボンサンミョンに所在する陜川湖の上空で、大邱(テグ)消防本部所属の消防ヘリコプター「ダルグボル2号」が、自動飛行調整装置をテストするため「停止飛行」を行っていた際、一瞬機体がバランスを崩して右側に傾いた。その瞬間、プロペラが水面にぶつかりながら機体が激しく揺れ動き、右の扉が吹っ飛んでしまった。

この時、副機長の兪炳旭(ユ・ビョンウク、39、消防衛)氏が「みんな、落着いて」と大声で叫んだ後、後部座席に乗っていた5人に向かって「壊れた右の扉から水に飛び込むよう」指示した。5人が次々と水の中に飛び込んだ後、兪副機長も最後までハンドルを握っていたポーランド人のルジンスキー機長(50)とともに機体から脱出した。

この7人は、半分水に沈んだまま水面に浮かんでいる機体に寄掛かっていたが、2分ほどしてヘリは水中に沈んでしまった。皆は必死に泳ぎだした。

生存者の整備士、張星模(チャン・ソンモ、40、消防長)氏は「機長と副機長は、ヘリコプターが墜落する際、全身に受けた衝撃で力尽きたように見えた」としながら、「途中、後ろを見たらその2人も泳いでいたのに、陸に着いてから気がついてみると、2人の姿は見えなかった」と話している。

ヘリには、兪副機長と整備士の張氏のほか、英国人のマイケル・ディックビー氏(62、ヘリの設計士)、ポーランドのスウィドニックス社所属のルジンスキー氏(50、操縦士)、アレック氏(42、整備士)、スワべック氏(33、ヘリのデザイン担当)と、もう一人のスワべック氏(31、操縦講師)の7人が乗っていた。

▲必死の努力〓ヘリコプターの墜落地点から陜川湖に浮かぶ小島まで、およそ100メートルを泳いできた5人の生存者は、日が暮れるにつれ、恐怖に慄きながら寒さと戦わなければならなかった。

ずぶ濡れの5人は、互いに寄添ったまま夜を明かした。体温を保つために周りから枯葉ををかき集めて互いの体を覆った。

生存者たちは、事故発生から16時間後の19日午前8時40分ごろ、捜索に乗りだした救助ヘリコプターによって発見され、病院で手当てを受けている。5人はいずれも、体温が急激に下がる低体温の症状が見られるものの、命に別状はないという。

▲出遅れた救助〓大邱消防本部の航空隊から、同じく大邱消防本部の状況室の方にヘリコプターの通信が途絶えたとの届け出があったのは、事故発生からおよそ2時間後の18日午後6時15分。

消防本部は、午後7時20分と7時50分に、それぞれSKテレコムとKTF側に乗員たちが携帯していた携帯電話の位置追跡の可否を問い合せたところ、2時間後の午後9時31分になって、ようやく最終的な発信地点を突止めることができた。水の中に飛び込んだ彼らの携帯電話は、いづれも使い物にならなくなってしまった。

救助専門家たちは、携帯電話の位置追跡さえ適時に行われていれば、もっと早い時点で救助活動に取りかかることができたはずだとみている。

▲事故の原因〓消防本部の関係者は「最近、事故に遭ったヘリコプターに自動飛行調整システムを搭載しており、今回がその試験飛行だった」として、「ヘリコプターの製作会社のポーランド技術スタッフが同乗していたのもそのため」だと述べ、事故に遭ったヘリコプターに搭載した「自動飛行調整システム」の欠陥の可能性を示唆した。

事故に遭ったヘリコプターは、大邱市が山火事の消化などの目的で01年12月、47億1000万ウォンでポーランドのスウィドニックス社から買い入れたPZA—W3A(SOKOL)型で、最大航速距離737キロ、最高速度252km/h、14人(乗員を含む)が搭乗できる。機体と乗員保険として2億2600万ウォンの保険に加入している。



鄭榕均  cavatina@donga.com jrjung@donga.com