与党民主党の兵役不正調査特別委員会の委員長を務める千容宅(チョン・ヨンテク)議員が、いわゆる「兵風(大統領選候補だった李会昌(イ・フェチャン)氏の長男の兵役逃れ疑惑)」を提起した元医務副士官の金大業(キム・デオプ)氏が、検察に自ら出頭する意向を表明したことを、同党の朴柱宣(パク・ジュソン)議員を通じて検察に通報していたことが、21日、明らかになり、民主党と「兵風」の関わりを疑う「兵風背後疑惑」が再燃している。
関係者によると、今月5、6日ごろ、金氏をサポートしている市民団体の関係者が、千議員に電話をかけ、千議員と金氏が電話で話ができるよう斡旋(あっせん)し、金氏が千議員に「13日ごろ、検察に出頭する考えだ」と話したという。
これを受けて、千議員は、当日午後、国会の本会議場で会った朴議員に、金氏が出頭する意向を表明したと話し、朴議員は、このような内容を、朴栄琯(パク・ヨングァン) ソウル地検特捜1部長に伝えたという。
千議員は、本紙記者との電話インタビューで、「金氏に『国民の疑惑も大きくなっているので、できるだけ早く検察に出頭して、事件を終結してほしい』と出頭を勧めたら、金氏が、13日ごろ出頭すると言ったので、朴議員に、検察に伝えてほしいと話した」と述べた。
しかし、千議員は、「昨年6月、民主党兵役不正調査特別委員会の専門委員とともに、『兵風』の通報者として、金氏に一度会っただけで、それ以外は金氏と接触したことがない」とも語った。
一方、朴議員は、「私が検察出身で、朴部長とも知り合いなので、千議員から聞いた話を朴部長に話したのは事実だが、金氏の善処をお願いしたことはない」と述べ、また、朴部長も、電話で話した事実は認めている。金氏は、「千議員がいつ出頭するのかと聞いてきたため、13日ごろ出頭する考えだと答えただけだ」と話した。
しかし、千議員のこうした説明にもかかわらず、金氏が千議員と直接電話し、出頭の日にちを話したのは、普段からよく知っていなければできないことだ、という意見も出されている。
これについて、検察内外では、ハンナラ党が千議員を中心とした「兵風背後疑惑」を主張し続けていた状況で、昨年9月末、捜査の途中に行方をくらませて指名手配された金氏が、千議員と直接電話したのは、疑いをかけられても仕方がない、という指摘もある。
このため、千議員が、金氏の「兵風」暴露や逃避、出頭に、一定の役割を果したのではないか、という憶測も出ている。
李相錄 myzodan@donga.com jefflee@donga.com