ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領(58)が、24日、ブラジル・ポルトアレグレで開かれている世界社会フォーラム(WSF)に出席し、熱い拍手を浴びた。労働者出身のルーラ大統領は、小学校5年の学歴にもかかわらず、3転4起の末、ブラジルで初の左派政党の大統領となった人物だ。
政治家がWSFに出席したのは、彼がはじめてだという。ルーラ大統領は、飢餓の解消と対イラク戦争への反対を強く訴え、約4万人の聴衆からまるでロックスターのように歓迎された。
グローバル化と新自由主義への反対を旗印に掲げていることから、「反ダボス会議フォーラム」との異名も持つ、WSFを創設したルーラ大統領の業績と同大統領の左派路線が、参加者たちを熱狂させたのである。
ルーラ大統領は、「兵器の製造や戦争を行うために注ぎ込む資金を、パンや豆、米などを購入して貧しい人々の飢餓問題を解決するのに回せば、より暮らしやすい世の中になる、ということを全世界に向けて発信したい」と述べ、「富」が公正に配分される新たな世界の秩序作りを促した。
さらに、ルーラ大統領は、「貧困にあえいでいるアフリカの子供たちも、北欧の子供たちと同じように、豊かに育てられる権利がある。数百万人の子供たちが飢餓に苦しんでいるのに、戦争のために数十億ドルを無駄にするというのは、つじつまが合わない話だ」と強調した。「人類が必要とするのは、戦争ではなく理解」だと力説したルーラ大統領の演説が終わると、聴衆は歓喜の拍手を送った。
演説を静聴したアルゼンチンのマリア・ロサ・ベネズエラは、「ルーラ大統領の演説は『もう一つの世界が可能だ』という今フォーラムの考え方に一致している」、「これは、私たちが強く求めてきた内容」だと述べた。
一方、今回のWSFには、「第3世界の貧国の国民として生まれるよりは、欧州の牛になる方がましだ」という内容の報告書が提出されたと、外信は伝えた。
国際市民団体「社会監視(Social Watch)」が提出したこの報告書は、「欧州連合が牛1匹に2.2ドル相当の補助金を支援しているが、世界人口の半数が1日2ドル以下のお金で暮らしている」と主張した。
金正眼 credo@donga.com