金大中(キム・デジュン)大統領は30日、「現代(ヒョンデ)商船の一部の資金が、南北経済協力事業に使われていれば、今後、南北関係の持続的な発展と将来の国益のために、司法的な審査の対象にするのは適切でない」と述べた。
金大統領は同日、李種南(イ・ジョンナム)監査院長から現代商船の「対北朝鮮4000億ウォン支援疑惑」についての監査結果の報告を受けた席で、このように述べたと、朴仙淑(パク・ソンスク)公報首席秘書官が伝えた。
金大統領の発言は、事実上、現代商船が北朝鮮に巨額の送金をした事実を認めるものだ。監査院によると、北朝鮮に送られた資金は2235億ウォン(約224億円)に達している。
金大統領は、「開城(ケソン)工業団地事業など現代が北朝鮮と関連して進めている鉄道、通信、観光など7大事業は、民間レベルの経済協力事業ではあるが、南北協力事業の一環として行われてきたのが事実だ」と述べた。
さらに、「この問題によって、南北関係が行き詰まったり、すでに確保された事業権の破棄を迫られるなど、平和と国益に多大な支障がきたされてはならず、鉄道の連結事業や離散家族の再会など、南北協力事業にも差し支えがあってはならない」と強調した。
朴公報首席秘書官は、「大統領府とは全く関係ない、という従来の立場とはどんな違いがあるのか」という記者団の質問に対して、「大統領の発言通りだ」と述べ、さらなる答弁は避けた。
一方、監査院は同日、現代商船が追加で提出した融資金の使用明細を監査した結果、00年6月7日に貸し出した4000億ウォンのうち、1000億ウォンは現代建設の企業手形の回収資金として、765億ウォンは現代商船の企業手形の返済資金として、残りの2235億ウォンは対北朝鮮関連の事業資金として、それぞれ使われたことが分かったと発表した。
また、00年5月18日に貸し出した1000億ウォンは、運航経費の支払いと短期借り入れ金の返済に使われたことが確認されたと発表した。
現代は監査院に対して、とくに2235億ウォンについては、「開城工業団地事業費」の名目で使っており、△団地租借費△土地基盤工事の造成費△工業団地施設工事費などに使ったと釈明した。
監査院は、現代が、産業銀行から包括的な企業運営資金の名目で貸し出したお金について、「対北朝鮮関連事業資金」として使ったと明らかにするなど、いったん使い道を釈明したことを受け、当初の方針を変更し、現代商船関係者の告発措置をしない方針に決定した。
成東基 ysmo@donga.com esprit@donga.com