「150億円を一日間貸します。それに年0.01%の利子も付きます」
東京にあるヨーロッパ系のA銀行は、先月末、金融機関間で取引される超短期資金のコール資金をマイナス金利で貸し出しするという内容の案内文を、いくつかの金融機関に送った。
お金を借りる方が利子を払うのでなく、貸す方が「謝礼」の意味で利子を付けてあげるというのだ。すぐに、2社の外資系金融機関がこのお金を借りることにし、史上初のマイナス金利の取引がなされた。
日本経済新聞は、3日、日本の景気沈滞が長期化しているうえ、先月24日以後は、コール金利がマイナスにまで落ちる状況が続き、そうでなくても落ち込んでいる金融市場の雰囲気がますます暗くなっている、と報じた。
A銀行は、150億円を貸した翌日、0.01%の利子に当たる金額を引いて、貸し出し金を返してもらった。同銀行が、マイナス金利にしてでもお金を貸したのは、もちろん利益が残るからだ。
A銀行は、ドルが急に必要となった日本の市中銀行にドルを融通する代わりに円を担保にもらったのだが、後でお金を返済する時に0.08%の利子を引いて返すことにした。A銀行は、巨額の円を金庫に入れておいて返すこともできたが、保管費用などを考慮すると、コール資金を年利—0.01%で貸し出しする方が遥かに利益だと判断したのだ。
金融市場の血脈に例えられるコール市場で、金利がマイナスに落ちたのは世界でも前例のないことだ。金融専門家たちは、「長期不況と国家格付けの下落などから、日本の国家危険度がどれほど悪化したのかを明らかに示す現象だ。物価の下落に加えて金利まで下落すれば、デフレーションから脱するのは、より難しくなるだろう」と分析した。
朴元在 parkwj@donga.com