韓国政府は、今年のコメの買い上げ価格を、昨年より2%引き下げることにした。政府が買い上げ価格を凍結したことはあったが、引き下げに踏み切るのは48年に同制度が導入されてから初めてのことで、今後大きな議論を呼びそうだ。
政府は4日、閣議を開いてこのような内容を骨子とする、政府米買い上げ価格の引き下げ案を議決し、2月の臨時国会に提出することにした。政府案が国会で可決されると、今年の買い上げ価格は、40kg当たり5万9230ウォン、買い上げ量は532万6000石となる。政府は、買い上げ価格の引き下げによる農家所得の減少分については、水田農業直接支払金を増やして補てんすることにした。
安鍾云(アン・ジョンウン)農林部長官は、「04年の世界貿易機関(WTO)農業交渉に備え、韓国と海外のコメ価格の差を減らし、コメの過剰供給を解消するため買い上げ価格を引き下げるしかない」と述べた。
政府は、農家所得減少分を補うため穀物流通委員会の建議を受け入れ、水田農業直接支払金を4000億ウォンから4800億ウォンに増やすことにした。水田農業直接支払金は、環境にやさしい米作をしている農家に支援する、一種の補助金だ。
農林部の金鍱秀(キム・ヒョンス)食糧政策課長は、「1ヘクタール40万から50万ウォンの水田農業直接支払金の単価を上げるよりは、2ヘクタールまでとなっている支払上限を5ヘクタールに拡大する案を検討している。これで、比較的規模の大きい農家も恩恵を受けられるようになり、コメ産業の競争力を高めることができるだろう」と語った。
しかし、政府案がそのまま国会で可決するかどうかは分からない。3%引き上げを主張していた農民団体が強く反発しているうえ、与党民主党と野党ハンナラ党も政府案について反対の意を示しているからだ。
ハンナラ党政策委員会の李相培(イ・サンベ)議長は、「コメ市場の開放による負担を、農民にだけ転嫁する政策を受け入れることはできない。買い上げ価格は最悪でも凍結とし、水田農業直接支払金を画期的に引き上げるべきだ」と主張した。
民主党政策委員会の丁世均(チョン・セギュン)議長も、「買い上げ価格を引き下げてはいけない」と述べた。
李恩雨 libra@donga.com