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[オピニオン]バンク

Posted February. 07, 2003 22:45,   

한국어

「東海(トンヘ)」という名称をめぐり起こっている韓国と日本の争いは、昨日今日のことではない。しかし、韓国の場合、以前は主張をする主体が政府だったが、最近では民間団体がその役目を代わりに担っている。その結果、政府があいまいな態度で主張していた時より、はるかに良い効果をおさめている。

米最大の地図出版社であるグラフィックスマップスは、自社のウェブサイトの、東海地図の下にこのような説明を付けた。「90年代末、『バンク』は全世界の地図製作社や旅行会社、地理ウェブサイトなどを対象に東海を併記するよう、手紙とeメールを送るキャンペーンを始めた。彼らの主張によって、多くの地図出版社と教育用ウェブサイト参考書籍は、日本海と一緒に東海という名称も表記している。ワールド・アトラス・ドットコムはどちらの味方にもならない。そのため、両国が1つの名称に決めるまで、我々の地図には2つの名称を併記させる。」

◆各国の役所、教育機関、有名ポータルサイトに地図を提供するこの会社の決定が持つ意味は大きい。「東海」という表記が先に出て正しいという我々の主張が、説得力を持って受け入れられているという重要な証拠だからだ。また、表記変更の理由を公に公開したのは、数多くの利用者たちに韓国人の主張を間接的に伝えてくれる役割もする。このような大きい成果をあげたのが、莫大な予算を使う政府でなく、バンクという1つの小さなネチズン団体という点が驚くほどすばらしい。

◆バンクは「VOLUNTARY AGENCY NETWORK OF KOREA」の英文略字だ。99年、当時大学生だった朴ギテ氏(30)がペンパルのため作ったサイトが母体となったそうだ。彼は外国の大学生たちが韓国に対してあまりにも無知なのに驚き、韓国を知らせるため友達と一緒にバンクを組織した。彼らがこれまで直したミスは数えきれないほど多い。00年8月、世界一の権威を誇る米ナショナル・ジオグラフィック協会に抗議eメールを送り、地図に日本海とだけ表記するのに対する謝罪と、名称併記の約束を受けたのもその1つだ

◆もっと驚くべきことは、現在、1万2000人余りのバンク会員のうち、70%が小中高校生という事実だ。1人1人では小さく弱々しい彼らが1つになって、政府もすることができなかったことを成し遂げているのだ。彼らの「兵器」は単純だ。eメールで、間違っている情報に対し客観的根拠を提示しながら論理的に是正を要求することだけだ。彼らが持っている知識、経験、プライドは、全韓国人の大事な資産となるだろう。バンクが来月から、海外の有力サイトと教科書出版社たちを相手に、韓国の歴史に対する間違った記述を直す活動を、集中的に繰り広げることにしたという。この「小さな巨人」たちの努力に賛辞を送りたい。

文明豪(ムン・ミョンホ)論説委員 munmh97@donga.com