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[オピニオン]ホモ・ロットリウス

Posted February. 10, 2003 22:25,   

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韓国人に新しい学名ができた。ホモ・ロットリウス。「ハイファミリー」という家庭文化市民団体が新しく発明した名前で、「ロットに中毒した人」のことをいう。「数字を見ると、6つの数字を組み立てる」「ナンバーを記入した紙を持ち歩く」「賞金をどこに使うか、悩んだことがある」など、自己評価表の20項目のうち14項目以上に該当すると、中毒の部類に入る。わずらわしく項目を数える必要もない。「人生逆転(ロットのスローガン)」という言葉を聞くだけで胸が高鳴り、誰かが一等に当たったという話を聞くだけで自分のお金を取られたような気がしていらいらしてしまう人は、2003年の年明けから、韓国を興奮の渦に巻き込んだホモ・ロットリウスの一人と考えて間違いない。

◆ロト支持者は、宝くじの異常人気が、韓国だけの問題ではないと言う。最近、米消費者連盟は、米国人4人のうち1人が、老後の備えには貯蓄より宝くじを買ったほうがよいと答えた、と伝えた。一週間に25ドル分の宝くじを40年間買うとする。年利が7%だとしても、28万6640ドルに「すぎない」。これに対し、宝くじが一発当たれば、少なくとも50万ドルだから、こっちのほうがずっと打算が合う、というわけだ。利子は下がる一方なのに失業率は上がり、租税政策は富める者にのみ有利なため、貧しくて希望のない者には、宝くじを買うより他の方法がない。

◆宝くじが「貧者の税金」という言葉もこれに由来する。貧しい人たちが少しずつ出し合ったお金を集めて一人にあげる、という意味だ。米国の賭博の影響に関する研究委員会によると、高卒以下の学歴者は大卒者の4倍、黒人は白人の5倍も、宝くじを購入する。これに対し、韓国のホモ・ロットリウスは、低所得層だけでないという点で変わっている。上流階級を除く国民のほとんどがロトに熱狂せざるをえない理由を、歌手の「ウリナラ(我が国)」は新曲「Jotto!!人生逆転」でこう歌った。「索漠とした世の中で、信じられるのは、政治でも宗教でも何でもない 宝くじしかない/ひとやま当ててみたくてたまらない やってみよう 宝くじしかない/…一生懸命働いてもしょうがない…一生懸命生きてもJotto!!」

◆ホモ・ロットリウスを救うため、次回からはロトの一等賞金を大幅に減らすという。人生逆転劇は、ロト発行機関である国民銀行と10の政府機関が用意しておいて、今さらどういうつもりなのか。しかし、ロト当選金の繰り越し回数を2回に制限するとしても、ホモ・ロットリウスは姿を消しそうにない。一生懸命働いても希望のない世の中、政治も宗教も信じられない社会風土が変わらない限り、ホモ・ロットリウスは増え続けるだろう。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com