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[社説]大統領府の肥大化、分権に程遠い

[社説]大統領府の肥大化、分権に程遠い

Posted February. 10, 2003 22:23,   

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大統領府にパワーが集中すれば、内閣は萎縮せざるをえない。これまでの韓国の国政がそうだった。大統領府が内閣の上に君臨して、日常的な行政にまでいちいち干渉し、警察や検察の機能を掌握し、国政全般を統制してきた。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領陣営が大統領府の職制を改めたのは、これまでの大統領府の「帝王的弊害」をなくすための試みとみられる。政務機能や政策機能を分離して政策室長に大統領の改革課題を担当させ、首席秘書官が複数の省庁を担当する現行の体制を改め首席制や補佐官制を並行することにしたのは、それなりに評価するに値する。きちんと運営さえすれば、「君臨する大統領府」から「仕事する大統領府」に生まれ変わるだろう。しかし、このようなプラスの評価にもかかわらず、懸念の声があるのも事実だ。今回、決まった大統領府の職制は「2室長5首席6補佐官」体制で、長官級一人から始まった現政権の初期に比べ、長官級だけでも2人増え、次官級も増えた。「小さい政府」の見本となるべき大統領府が、最初から肥大化しているようだ。通常、時間が経つにつれて大きくなるのが大統領府組織であり、今後どうなることやら早くも心配の声があがっている。国家安保補佐官と外交補佐官・国防補佐官、政策室長と政策首席、人事補佐官と民政首席、広報首席と報道官との役割分担があいまいになりかねない。

特に、大統領府の肥大化は、盧次期大統領が強調してきた分権ともかけ離れている。組織は大きくなればなるほど不必要なことを無理にでもつくる傾向があり、これは内閣が所信を持って仕事をするうえで足かせになりかねない。いくら「分野別首席体制」をなくすといっても、大統領府が巨大化すれば、公務員社会を支配しようとする「権力の血」が流れる。次期政権は、「北朝鮮への秘密送金」問題のように、大統領府がすべてに干渉し様々な国政混乱を招いた現政権の悲惨な失敗を振り返ってみる必要がある。人にとっても組織にとっても、肥満は危険だ。