法廷がテレビ画面の中によく出てくる。
SBSの『ソロモンの選択』は高承鄹(コ・スンドク)、金炳俊(キム・ビョンジュン)、鄭玹守(チョン・ヒョンス)、金東聖(キム・ドンソン)4人の弁護士が法律諮問団として出演、独自の法解釈による楽しさと法律の常識を同時に与えてくれる番組だ。土曜日午後のゴールデンアワー(6時50分〜8時)の娯楽番組の中でも高い視聴率(16〜18%)を維持している。
MBCの「実話劇場、罪と罰」(月曜日午後の11時05分)は「李ミンジュちゃんの誘拐殺人事件」など社会的に衝撃を与えた実際の事件を緻密に再構成した法廷ドラマタイプで、本当の犯人と真実を追求して視聴者の目を引く。KBSの「テレビ生活法廷」(土曜日午前の10時)は実際、紛争当事者が直接出演して攻防を繰り広げる。それについて黄山城(ファン・サンソン)弁護士が判決を言い渡す。
テレビの法廷番組は、米国で「リーガル(legal)エンターテイメント」という新造語が作られるほど人気のアイテムだ。「ソロモンの選択」の法律諮問団の中の紅一点である鄭玹守弁護士と「実話劇場、罪と罰」で検事役を演じている映画俳優のソ・テファが14日午後、ソウル瑞草洞(ソチョドン)にあるソウル地裁の建物の前で会った。
鄭玹守=ソ検事のカリスマ性のある目つきは、検事役によく似合います。私が知っているのは「キンカー」検事が多いですが、一番素敵です。(笑い)
ソ・テファ=検事役は本当に難しいです。実際やってみたら、人間的には被疑者の肩を持ちたいが、法の公平性のために重刑を言い渡す時、検事は悩みそうです。「ソロモンの選択」は、本当に生活の中で知りたい判決が多いため、楽しく見ています。
鄭=初めは、弁護士たちが娯楽番組に出ることに対して、よくない目で見ている人もいました。しかし、私はこれが単なる娯楽番組とは思ってません。経済規模が大きくなるにつれ、視聴者は生活の法律常識を前もって知っておかなければなりません。法律紛争が発生してから解決しようとしても遅いのです。私が8カ月間、大邱(テグ)とソウルを行き来しながら、テレビに出たのも、法律の大衆化に役立てればと思ったからです。
ソ=「ソロモンの選択」や「実話劇場、罪と罰」のような法律を扱う番組が、2けたの視聴率(10〜16%台)を記録することを見て、びっくりしたんです。このごろの娯楽番組では、ジョークばかり言う「再演ドラマ」や「トークショー」では通用しなくなったようです。法廷の攻防番組は情報提供を超えて、熾烈な論理対決を繰り広げる「知的ゲーム」が興味をひくようです。
鄭=『ソロモンの選択』は法曹人たちにも人気が高いです。ところで同僚の弁護士と判事、検事らは、家で子供と一緒に「ソロモンの選択」をテレビで見るのが怖いそうです。子供たちの 「パパあれは?」という質問に答えてから放送で弁護団の判決結果を見たりすると、「エー, パパの判決、間違っていた」などとなるから、本当にきまりが悪いそうです。.
ソ=検事役を引き受けて、裁判所の傍聴席で裁判を見てみました。期待と違って、無味乾燥ですね。それで劇中では検事と弁護士が傍聴客に歩いて演説するアメリカ式の裁判所の姿を取り入れました。
鄭=「実話劇場、罪と罰」は裁判の過程に参加する判事、検事、弁護士などの苦悩が深く描写されていて興味深いです。特に10日放送された「行き違った母と娘の運命」編を見て、胸がジンとしました。私は大邱で初の女性弁護士として家庭暴力事件を多く扱ったんです。「ソロモンの選択」を撮影しながらも、視聴者の掲示板にあった「未成年者の売春婦がおびただしい借金をして、店のオーナーから訴えられた」と言うのを扱ったりもしました。
ソ=「実話劇場、罪と罰」は、実際の事件を扱うため、当時の裁判記録の他にも事件当事者と裁判関係者に会って資料の調査が必要です。作家やディレクターなどが5チームも関わって製作をしています。
鄭=それでも法曹人が見ると、いくつかの間違いが目立ちます。民事裁判で訴訟にあった人は 「被告」で、形事裁判で検察が起訴した罪人は「被告人」と言わなければなりません。ところで放送ではいずれも「被告は…」という間違いが多いです。被告人を証人席に立たせ、訊問するのも間違いです。また、楽しさのために裁判所の判決を評価して介入するような印象を与えるのも憂慮すべきです。
チョン・スンフン記者、raphy@donga.com