「映画館の観客数は誰も知らない」。
韓国映画が観客シェア50%に達するほどの急成長を遂げているが、いざ映画館の観客集計はどんぶり勘定式だ。
映画人会議の配給改善委員会が、毎週、映画別の全国観客を発表しているが、これは推定値に過ぎない。それなのに、この推定値が映画の主な広報手段に「包装」されるようになり、これに不満を抱いた各映画会社が、集計方式の問題を指摘し始めた。
先週、CJエンターテイメントとコロンビア映画社は、自社配給映画の興行成績の公開を拒否した。今週には、コリアピクチャーズとウォルトディズニーも加わった。これらは国内屈指の映画社で、興行成績を公開しなければ、国内の映画館の観客集計は事実上不可能だ。
CJエンターテイメント広報チームのシン・スングン部長は、「配給改善委員会の資料が正確でないにもかかわらず、マーケティングの手段として動員されている。集計方式がもっと透明になるまで、興行スコアを公開しない」と話した。
これらの会社が配給改善委に異議を申し立てる部分は、全国の累計観客数だ。映画ごとに配給方式が異なるうえに、ソウルと主要大都市を除く他の地域には、統合ネットワークが構築されていないため、事実上、正確な全国の観客数を出すのは不可能だというのだ。
配給改善委は、これまで全国観客数を映画館の関係者や配給会社との付き合いを基盤に調査を行ってきた。配給改善委の関係者も「全国観客推定値は参考資料であり、信用できる数値ではない」と話した。
このように不正確な集計方式のため、01年には、映画『共同警備区域JSA』と『シュリ』が全国最多観客記録をめぐる神経戦を展開し、記録が上がったり下がったりした。
配給改善委は、今回の紛争の解決策として、統合ネットワークが構築されているソウルと釜山(プサン)、大邱(テグ)、大田(テジョン)、光州(クァンジュ)、蔚山(ウルサン)の観客を集計して発表する案を、各映画会社と調整している。
映画界では、「観客数など多くの部門の統計は産業化の基礎なのに、手抜き統計はまさに産業の不安定さを示す指標だ」とし、全国の映画館統合ネットワークの構築が急がれる、と話している。
金秀卿 skkim@donga.com