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[オピニオン]トリップワイヤー

Posted February. 18, 2003 22:59,   

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在韓米軍2師団のインターネット・ホームページに掲載されている部隊の歴史は、次の通りだ。「1917年フランスで創設。1950年7月米本土から韓国に派兵されて53年4月まで前線に投入、54年8月に本国に帰還。65年7月韓国に再配置され今日に至る…」。米軍の師団単位編成は、必要に応じて編成(activate)されたり解体(deactivate)されたりする。2師団の場合も、朝鮮戦争以来、本国で一時解体の悲運に見舞われたが、第1次世界大戦以来、数多くの戦闘に参加してきた歴戦の部隊だというのは間違いない事実だ。

◆部隊のシンボルである「インディアン・ヘッド(Indian Head)」でも有名な米歩兵2師団が、最近よく話題に上る。最近ラムズフェルド米国防長官が明らかにした在韓米軍再配置構想の核心は、議政府(ウィジョンブ)や東豆川(トンドゥチョン)など、漢江(ハンガン)より北の地域に集中配置された2師団を後方に回すということだ、との分析が出ている。もし、この構想が現実となれば、2師団のトリップワイヤー(trip wire)機能、つまり軍事的非常事態発生の際に米軍の自動介入の保証が困難になるという懸念が一部出ている。トリップワイヤーとは、クレモアなどの爆発物と連係していて、触ると自動的に爆発するようになっている仕掛けワイヤーを意味する軍事用語。

◆2師団が後方に移動すれば在韓米軍の戦争抑止力が弱まるかについては、意見が分かれる。韓米相互防衛条約では、米国は2師団でなくても韓半島に有事の際に介入するしかないとの分析や、軍の近代化にともない「古い歩兵部隊」である2師団の再編は避けられないという主張もある。「トリップワイヤーの概念は、不動ではなく絶えず変化する」という解釈もある。要するに、2011年までに米軍基地や演習場を全面再調整する連合土地管理計画(LPP)が施行されれば、坡州(パジュ)・文山(ムンサン)地域の全ての米軍部隊はどうせ閉鎖される運命だというのだ。

◆にもかかわらず、2師団のトリップワイヤーの役割がなくなることを懸念する声が絶えないのはなぜか。なによりもそれは、最近あらゆる分野でギクシャクしている韓米関係に対する不安から来るものと考えられる。ロウソク・デモなどで見られたように、米国に対する韓国のこれまでとは違った雰囲気、これに対応する米国の複雑微妙な反応は、韓米関係が以前と同じでなくなったことを端的に示している。こうした中、韓半島で緊急事態が発生すれば、米国が果たして以前のように、自分のことのごとく駆けつけて来てくれるだろうか、と心配しているのだ。これが、一般人には理解しがたいトリップワイヤーという軍事用語がよく登場する背景なのだ。

宋文弘 (ソン・ムンホン)論説委員 songmh@donga.com