新しい大統領が就任してから2日目、国会の漂流を見守る国民の心情は暗うつだ。新政権は発足したものの、首相任命同意案が処理されず、「大統領はあって閣僚はない」という奇怪な状況が展開されているのだ。それにもかかわらず、与野党はお互いに相手を誹謗する叫び声だけを上げているということも、本当に情けないように感じる。
もしかしたら、5年前の国会の光景と極めて似ているかもしれない。当時にも首相承認案をめぐって与野党が力比べを繰り広げ、一週間も組閣が先送りされるなど、国政がごちゃごちゃであった。内閣構成の遅れによる国政の混線は、私たちの政治水準のほどを深く考えさせられる。任期が終わった前政権の首相自宅を尋ねて決済を受ける姿を想像して見てください。旧政権の閣僚が新政権の政策を決済し、執行することをどう理解すればいいのだろうか。
状況がここまでに至ったのは、与野党両方の責任だ。対北秘密送金問題の徹底した真相解明は国民の要求事項であり、特別検事制(特検制)はそれを解決する最も適する方法と認識されている。こうしたところで、総理承認案と特検法案の処理手続きをめぐってお互いに意地を張ってきたが、結局、特検法案を野党単独で処理することに至った。与党は特検法案だけを可決して承認案が否決される場合を、野党はその逆の場合を心配したようだが、党利党略、交渉力の不在、国政の足を引っ張っているという批判を兔れることは難しい。
特に、民主党が特検法案の表決に参加しなかったため、首相承認案の表決が難航したというのは愼重ではない行動だ。特検法案が通過すれば、首相承認案の処理に野党が積極的に協力すると約束したのにもかかわらず、与党が参加しなかったのは国会破局の責任を、野党になすりつけようとする狙いだとしか言いようがない。
与野党は大統領選挙後、引き続き相生の政治を合唱するかのように叫んできた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は就任の辞でも、「対話と妥協で問題を解決する政治文化が定着しなければならない」と強調したが、まさにその瞬間が過ぎてからの議事堂内の姿は、その言葉と正反対だ。国民は新政権初期からもう一度の政治不信を感じているはずだ。