米国は2日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の戦闘機が、元山(ウォンサン)近くの公海上で偵察活動をしていた米軍機に接近し攻撃用のレーダーを照射した事件に関して、北朝鮮に正式に抗議することにしたと、米政府高官が3日(韓国時間4日)明らかにした。
CNN放送などの米メディアは、「米国政府はまだ公式抗議を伝えるルートは決めてないが、とりあえず国連駐在の北朝鮮外交官たちと接触する案を検討している」と報じた。
米国務省のある高官は、「米国は韓国を含む友好国とこの事件に関連して、北朝鮮にどう抗議するか、最も適切な抗議方法は何かについて緊密に論議している」と語った。また、「北朝鮮が通常の公海上の偵察活動に対し威嚇を加えたのは、今回が初めてだ」と述べ、「抗議をするとすれば、国務省か軍のルートで抗議する」と付け加えた。
別の米政府高官は「最近の一連の挑発行為より、ずっと挑発的だということには疑問がない。一度の計算違いで人々が命を失い、その次の対応次第で、もっと多くの人が命を失う危険性がある」と警告した。
一方、在韓米軍は4日、北朝鮮のミグ戦闘機が2日午前、東海(トンヘ、日本海)上を偵察飛行していた米軍偵察機に接近し一時緊張が高まったが、衝突はなかった、と明らかにした。
在韓米軍の関係者によると、2日午前に北朝鮮のミグ29戦闘機2機とミグ23戦闘機2機が、米軍偵察機のRC135機に接近してきた。同関係者は「当時、北朝鮮戦闘機は北朝鮮海岸から約240km離れた東海の公海上を偵察飛行中だったRC135機に20分余りで追いつき、一時は15mの距離まで接近した。その後、RC135機は日本の沖繩嘉手納空軍基地に帰還した」と話した。
また、同関係者は、RC135機はこの数年間、東海上空で偵察任務を遂行してきたとして、「今回の事件で、とくに在韓米軍に非常警戒令は出さなかった」と加えた。
RC135機は、通信傍受と電子情報収集を行う米空軍の戦略偵察機で、日本の嘉手納空軍基地から発進し、東海上で北朝鮮の改良型シルクウォーム地対艦ミサイルの再発射可能性に備えて、偵察飛行を行っていたという。
尹相虎 maypole@donga.com ysh1005@donga.com