金原本(キム・ウォンボン)光州(クァンジュ)市教育監が、このほど行われた校長人事に関連し、全国教職員労働組合(全教組)の要求を受け入れた人選の過ちを認めるとともに、再発防止に向けて努力するという内容の文件に署名した事実が明らかになった。このことを受け、人事権侵害の議論が巻き起こっている。
このような事実は、全教組光州支部のJ中学校分会が4日、文件の内容を光州市教育庁のインターネット・ホームページに公開したため明らかになった。
光州市教育庁は先月25日、小中学校の校長人事の際、光州教育科学研究院の研究員、Cさん(61)をJ中学校校長に発令した。
これについて、全教組光州支部のJ中学校分会の教師11人は、翌日26日に光州市教育庁を訪ねてソ・クァンス副教育監とぺ・ウィグ教育局長に会い、「Cさんは、3年前、各種の不正疑惑にかかわったとして警告を受けた人物だ」と述べ、発令撤回を要求した。しかし、ソ副教育監たちは「一度行われた人事は変更できない。了承してくれ」と拒否した。
これを受け、全教組光州支部のソン・ソンジョン支部長は先月27日、ソ副教育監に電話をかけ、「この問題は地域教育界の争点になりかねないうえ、該当学校の教師たちの反発が根強い。円満な解決のためには、市の教育監が再発防止を約束しなければならない」と述べ、このような主旨の文件に署名することを提案した。
ソン支部長はこれに続き、光州支部の副支部長とJ中学校分会所属の教師の2人をソ教育監のところに行かせ、全教組支部で作成した文件を手渡した。
ソ副教育監は翌日の午前に、幹部会議の席で金教育監にこの文件を見せた後、教育監が同文件に署名捺印した後にファックスで全教組光州支部に送った。
同文件には、△教育監はCさんの校長発令に対する過ちを認める△CさんがJ中学校の教職員を対象に、教員を尊重して非教育的な行為を行わないことを口頭と署名で約束する△市教育庁は、Cさんについて特別管理を行い、物議をかもした場合には即刻重い懲戒に処す△市教育監は、このような人物が学校長に発令されることがないように努める、という4つの項目が盛り込まれている。
また、当事者のCさんも、この学校の全教組分会教師たちの要請を受け先月28日、「物議をかもした点について謝罪し、学校を民主的に運営し自粛する」と、学校運営と関連して教師たちが望んでいる29項目の文件に、自筆で署名しており、3日の入学式が終わった後、すべての教職員たちの前で実践を約束した。
金教育監は、「Cさんの校長定年が残り少ないので、救済のレベルで人事発令を出した。これからは年功序列や点数中心ではなく、教師たちに尊敬される校長を最優先に人事発令すべきという全教組の考え方に同意し、文件に署名した」と述べた。
Cさんは、「新しく就任した学校で、身の上の問題によって教師たちと葛藤が生じることを懸念して署名捺印した。この問題が教育界の論議に広がることを望まない」と述べた。
一方、このような事実が伝えられ、第一線の学校校長たちと一部の父兄は、「これは、教育監の人事権を侵害した、程を越えた暴挙に等しい。特定の校長1人を犠牲にして、すべての校長と教育監を馴らそうとする不順な試みだ」と反発を強めた。
これについて、全教組光州支部の関係者は、「この文件は、一時期に不正にかかわった学校長の民主的な学校運営を促すために作られたもので、強圧的な雰囲気で作成されたものではなく、お互いに内容について協議し十分な意見交換を行った」と述べた。
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