「金ヘス氏が先日『赤ちゃんがほしい』といって周囲を驚かせましたね。驚くことではないと思います。私も結婚についてはまだ否定的ですが、赤ちゃんはほしいですからね」
「雪だるま」の後続ドラマとして12日に1回目が放映されるMBCドラマ「威風堂々とした彼女」(水、木曜日夜9時55分)のヒロイン、ぺ・ドゥナは、映画「頑張ってよ!クムスンちゃん」に続き、またも赤ちゃんをおんぶした根気強いおばさんに変身する。MBC「母ちゃん、姉ちゃん」以降2年半ぶりにテレビに復帰する作品だ。
このドラマは、財閥一家の孫がすりかえられる出生の秘密など、最近ドラマではやっている「落窪物語」や「シンデレラ」コンプレックスをモチーフとしている。これに加えて、最近、韓国の映画で爆笑をもたらす主なキーワードである復古調の漫画も一役買った。アニメーションの大げさなアクションとコンピューター・グラフィックを用いて、猟奇的ではつらつなコミックドラマを目指した。
ぺ・ドゥナは、可愛くない無表情の中性的なイメージで、中高生たちの人気を浴びている新世代スターだ。映画界でも、「リング」の恨み深い悪霊、「フランダースの犬」のマンション管理事務所の経理、「青春」のはつらつな看護婦、「猫をお願い」の女子商高の卒業生、「復讐は私のもの」では恋人に子供の誘拐を提案する悪女役など、主流社会とかけ離れたアウトサイダーの役で、独特なキャラクターを築き上げてきた。
映画界で演技力と個性を認められたものの、興行には至らなかった。むしろ「カルト・ヒロイン」としてのイメージが強かった。しかし、ぺ・ドゥナは、テレビ復帰作の「威風堂々とした彼女」について、「この作品は商業性で一貫して気に入った」と話した。
ドラマの中でぺ・ドゥナは、これまでの映画の中の多様なキャラクターを混ぜあわせて見せるつもりだ。結婚式を控えて新郎が逃げ出したために一人で子供を生んだ未婚の母であるウンヒ。しかし、ウンヒは決してひるむことなく、泣き出す息子をおんぶして、愛する男が現れると、最後の最後まで追いかけて告白したり、食品会社の経理に入って、つぶれかけた会社を再生させて女社長になるなど、根気強い女性だ。
ドラマの中でぺ・ドゥナは、赤ちゃんをおんぶしたままバスを追いかけてストップさせたり、トンボ返りをしたり、バスの窓ガラスを見ながら大きなくしで髪をとかしたりする「格好悪い演技」を繰り広げる。
「走っている途中に、鼻水が出て飛んでいってしまう場面がありますが、コンピューター・グラフィックを利用しましたけど、やはり恥ずかしかったです。なのに、人々は私の格好が悪くなればなるほど、可愛い、面白いと言うんですよ」
田承勳 raphy@donga.com