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「危険でも出れない」イラクの外国人労働者たち

「危険でも出れない」イラクの外国人労働者たち

Posted March. 19, 2003 22:04,   

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戦争は社会的、経済的差異を最大化する。

米国の対イラク攻撃の前進基地クウェートは、去る者と残る者に両分されている。18日(現地時間)クウェート国際空港には、戦争を避けて抜け出そうとする人々でごった返しになった。

米国、英国人など西側の人々とクウェート国民だ。そこにはクウェートに出稼ぎに来た外国人勤労者たちはいなかった。区別する一つの方法はイスラムの伝統衣装「ビスタシャ」と頭巾「ゴトラ」だ。白人ではなく「ビスタシャ」と「ゴトラ」の身なりをした人はクウェート人だ。彼らはは数カ月前に購入しておいた飛行機のチケットを延ばして、戦争直前に脱出することができた。

しかし、この国の人口の大部分を占める外国人勤労者たちは、脱出はおろかこちらの基本的な安全装備である防毒マスクを購入できる金さえない。クウェートの人口は、去年末現在で242万人と14日発表された。この中でクウェート国民は37.1%の89万8000人に過ぎず、残りの152万人は外国人だ。労動人口で見ればクウェート国民の比重はもっと少なく、19.5%に止まっている。外国人がクウェート国籍を取得することは事実上不可能だ。とくに参政権は、帰化してから30年が経ったか、1920年以後に居住したか、または、当時父親の年齢が21歳だった人に限って与えられる。しかし、戦乱の危機にもクウェートが安定を維持しているのは外国人勤労者たちが残っているからだ。

外国人のうち、エジプト(30万人)、インド(20万人)、バングラデシュ(15万人)、スリランカ(10万人)、フィリピン(6万人)出身が大部分を占める。エジプトとインド人は中間管理者層だ。

スリランカ人のバフラさん(34)は「一度去ればまた戻って来るのが難しいため、大部分の外国人勤労者たちはここを脱け出すことができない」と話した。運転手として働く彼の1カ月の収入は35万ウォン程度。防毒マスク(現地価格で45万ウォン)はもちろんない。クウェートのどの食堂に行っても、お客はいなくて外国人従業員の姿だけ目にするのもこのためだ。

これらの国の大使館も、まだ脱出を勧めていない。バングラデシュ大使館のレネワカ書記官は、「状況が深刻になれば脱出を進めるかもしれないが、今は勧めていない」と話した。インド大使館も状況は似ていた。

フィリピン大使は「フィリピン人の安全を最優先に考えるが、海外勤労者の職業の安定も考慮しなければならない状況だ」と話した。生計のため出国することができない事情を勘案して、フィリピン大使館測は自国民にインターネットの画像電話で、本国にいる家族に2分間話せる無料通話サービスを開通した。